志方あきこさん、知ってるべか?
知ってるだよ。
おら、彼女の歌大好きだ。
おらもだよ。
「Arcadia」とか「Luna piena」とか。
他にも、いい曲たくさん作ってるだよ。
歌もうまいし、作曲もしてるだよな。
すごい才能だべ。
努力も半端ないだろな。
きっと、大成功の運命なんだべ。
うらやましいだな。
彼女の歌声、独特でいいわよね。
姉さんも知ってるだか。
大好きよ。
うちもよく聞くで。
そうだべか。
ところで兄さん。
さっき、ちらっと運命のこと話しとったな。
志方さんの運命のことだか?
そや。
それなら、その運命とは何かしら?
どこかのえらい神様が決めてるんでねえか?
試練とか与えて、成長させるとか。
志方さんみたいに才能を持って生まれさせるとか。
やっぱり、そう思うわね。
けど違うんやな。
使命や寿命、つらい経験。
それらは、初めから決められているわけじゃないんよ。
えらい神様が与えてるんでねえのか?
天の神様は命を与えるだけ。
「ああしろ、こうしろ」なんて言わないで。
試練も苦難も与えないわ。
「地上へ降りて、楽しいこともつらいことも経験しなさい」
「たくさんの感動を持ち帰りなさい」
そう言って、人間をこの世に送り出すだけや。
人生の計画を作るのは本人。
寿命や性別、どこに生まれるか。
それらは、生まれる前に自分で決めてるんよ。
人によって、違いはあるけどね。
・細かく決める(小説のストーリーのように)
・大雑把に決める(だいたいこの年齢で、こんな経験)
・全く計画なし(自由に人生を生きる)
じゃあ、姉さん。
どういうふうに運命を決めてくだ?
まずは、生きる方向を決めるんよ。
・政治家になって、住みやすい世界を作ろう
・映画監督になって、感動の作品を世に送り出そう
・医者になって、多くの人を救おう
・スターになって、キラキラした人生を送ろう
こういうのもあるわ。
・前は貴族だったから、今度は平民で
・前はすぐに死んじゃったから、今度は長生きしよう
・今度で輪廻は終わりだから、余計なカルマを作らんように短命にしとこ
生まれる場所も決めれるで。
・都会はあきたから、今度は自然いっぱいの土地に生まれよう
・日本を離れて、今度はスイスに生まれてみよ
次に、もう少し細かいことを決めていくんよ。
人生の目的を達成しやすいよう調整するの。
・イケメンに生まれるか、モブ顔で生まれるか、ブサイクに生まれるか
・金持ちの家に生まれるか、普通か、貧乏か
・頭脳明晰か、平凡か
イケメン頭脳明晰、金持ちの家に生まれたほうがいい。
普通はそう思うわね。
やけど、それは生きてる人間が考えることや。
・イケメンに生まれたがゆえに、ヒモになって堕落した人生を送ってしまう
・お金があるから働かない、事業を起こさない
それでは、人生の計画が狂ってしまうわ。
やから、目的からそれる要素は選ばないんよ。
じゃあ、姉さん。
初めに「イケメン天才の資産家として生きる」を設定すれば・・
そういうふうに生まれるな。
なら、毎回そんな感じで生まれたいだよ。
その方が人生楽しく生きられるべ。
そうよね。
変な劣等感とか妬みとか感じなくて済むしな。
だべ。
だけど、それではダメなの。
なしてだ?
魂には「学習シート」のようなものがあるからや。
学習シート?
学習シートには、クリアすべき項目が無数にあるんよ。
同じような人生だと、同じ項目にしかチェックがつかないわ。
「チェック項目なんか増やさなくてもいい」
「できるだけ楽な人生を経験したい」
そう思うのは、肉体を持った人間だからや。
身体から離れて魂だけになると、
そんな意欲に満ちた存在になるの。
ところがな
地上に生まれると、魂だったころの意欲を忘れるんよ。
だから、自分の置かれた環境に文句をつける。
不満ぶーぶーだか。
ぶーぶーや。
魂は、そうなることも想定ずみ。
不満だらけの人生で終わらないよう、試練を用意するの。
・このあたりで、大病を患って人生について深く考えよう
・挫折を経験して、人に対する思いやりを持てる人間になろう
あえて不幸を用意するだか。
人として成長するためにな。
自分で計画したなら、文句は言えんべな。
だな。
不幸な出来事すべては、自分で計画したもの・・
ではないわよ。
え?
・悪霊によるもの
・自分が人にしたことに対する天からの矯正(因果応報)
そんなのも、あるんやで。
そうだべか。
運命とは、生まれる前に自分で計画したこと。
天から一方的に与えたものではないんよ。
なら、その計画を知りたいだよな。
んだ。
その辺は、自分で深く考えてみて。
どう生きるかを選ぶのは、兄さん方やからな。