目次
案内人の紹介
えめ
らる
暑さも寒さも何のその。
どんとこい!
うか
上品なお姉さん。
その正体は、ウカノミタマ。
いな
陽気なお姉さん。
その正体は、お稲荷さん。
村人
しっかり者の村人さん。
名前は、スクナ。
村人
どこか抜けてる村人さん。
名前は、スサノ。
住吉神社の紹介
住吉神社とは
さて今回は、愛知県半田市の住吉神社に参拝します。
えめ
住吉神社には、住吉三神。
らる
住吉三神って、確か・・・。
村人
イザナギ様が禊をしたとき、誕生したべ。
村人
イザナミが亡くなって。
えめ
イザナミに会いに、黄泉国を訪れたイザナギでしたが。
らる
そこで待っていたのは、変わり果てたイザナミ様。
うか
!
イザナギ
思わず逃げ出したイザナギに、イザナミ激おこです。
えめ
待てー!
イザナミ
逃さない・・・。
黄泉醜女
黄泉醜女
ひゃっほーい!
雷神
雷神
雷神
黄泉の軍勢を引き連れて、追いかけっこや。
いな
なんとか、黄泉国から戻ったイザナギ様。
うか
ふぅー。
イザナギ
・・・。
イザナギ
体、清めなきゃな。
イザナギ
ってことで、禊をして生まれたのが、住吉三神やよ。
いな
住吉神社地図
住吉神社には、
仲哀天皇と神功皇后も御祭神として祀られています。
えめ
夫婦だよ。
仲哀天皇
神功皇后
仲哀天皇は、日本の第14代天皇。
らる
父は、有名なヤマトタケルね。
仲哀天皇
死後、白鳥になって飛び去ったヤマトタケルを偲んで。
うか
全国から、白鳥を集めたんやよな。
いな
そうさ。
仲哀天皇
さて、仲哀天皇。
えめ
九州のクマソを討つために、訶志比宮に滞在します。
らる
そこで、神からお告げを受けたよ。
仲哀天皇
西の方に国がある。
ソコツツノオ
その国は、金銀財宝でいっぱいだ。
ナカツツノオ
その国を、お前に服従させてやろう。
ウワツツノオ
え? 神様がそんな事、言うだか?
村人
言わないだよ。
村人
まあ、そこは人の作った神話の話だから。
うか
大目に見といてやー。
いな
ということで、お告げを聞いた仲哀天皇したが。
えめ
西を見ても、海ばかり。
仲哀天皇
国なんかないじゃないか。
仲哀天皇
神様を嘘つき呼ばわりです。
らる
それで神様、怒っちゃったんやと。
いな
お前は、天下を治める者ではない!
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
なんと仲哀天皇、黄泉国へ旅立ってしまいました。
えめ
・・・。
仲哀天皇
亡くなった仲哀天皇に代わって。
らる
私が大和の兵を率いたわ。
神功皇后
神功皇后、神様のおつげに従って新羅に兵を進めます。
えめ
大和の軍勢に驚いた新羅王。
らる
戦うことなく降伏したと言われています。
えめ
ホントかな?
村人
どうだろ。
村人
しつこいけど、神話の話やからな。
いな
そんな5神が祀られている住吉神社。
えめ
さっそく参拝です。
らる
住吉神社参拝
ようこそ。
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
鳥居をくぐりましょう
一の鳥居だべ。
村人
大きいな。
村人
兄さん方、鳥居をくぐる時は一礼してな。
いな
わかってるだよ。
村人
・・・。
村人
おめえ、忘れてただな。
村人
今思い出したから、いいべ。
村人
鳥居から内側は、神様の領域。
うか
失礼のないように、礼儀正しくな。
いな
手水で手と口を清めます
また鳥居だな。
村人
だな。
村人
拝殿前の鳥居です。
えめ
さっそく参拝しましょう。
らる
お、手水舎だな。
村人
手ぇ洗うだか。
村人
兄さん方、手水の使い方は知っとるな。
いな
知ってるだよ。
村人
知らないだよ。
村人
・・・
村人
村人
知らないだよって、おめえ・・前に教えてもらっただよな?
村人
あれ?そうだっただか?
村人
忘れたんなら、また確認すればいいわ。
うか
それじゃあ、
手水の使い方を確認ね。
神功皇后
① まず右手で柄杓を持って、
② 手水舎から水をくみます。
らる
③ そして、その水を左手にかけて清めたら、
えめ
④ 左手に柄杓を持ちかえて、
⑤ 右手に水をかけて清めます。
らる
⑥ もう一度、右手に柄杓を持ちかえて、
⑦ 左の手のひらに水をためて、その水を口に含みます。
えめ
⑧ 口に含んだ水は
「手水舎の外側」
に静かに吐き出しましょう。
らる
水盤の中じゃないよ?
仲哀天皇
⑨ それから、左手に水をかけて清めます。
えめ
⑩ 最後に柄杓を傾けて。
らる
残った水を柄杓の持ち手にかけて洗ってね。
ウカノミタマ
柄杓は元に戻してなー。
いな
レッツ チャレンジ。
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
参拝しましょう
それでは、神様にご挨拶。
えめ
・・・の前にもう一度。
住吉神社の御祭神は、
らる
底筒之男神
- そこつつのおのかみ -
ソコツツノオ
中筒之男神
- なかつつのおのかみ -
ナカツツノオ
上筒之男神
- うわつつのおのかみ -
ウワツツノオ
神功皇后
- じんぐうこうごう -
神功皇后
仲哀天皇
- ちゅうあいてんのう -
仲哀天皇
の5神です。
らる
住吉三神は、イザナギの神様の禊で生まれただよな?
村人
黄泉国から戻ったときだな。
村人
俺の息子たちさ。
イザナギ
そんな住吉三神から神功皇后が神託を受けたんやで。
いな
熊曾を打つために筑紫にいたときにね。
うか
私の体に神を降ろして、アドバイスを受けたのよ。
神功皇后
クマソってなんだべ?姉さん。
村人
熊曾はな、ヤマト王権に抵抗した人々や。
いな
現在の九州南部に住んでいたのよ。
うか
参拝の前に、その辺の話を少し見てみましょう。
えめ
神の意見をうかがいましょう。
タケウチ
よし。
それなら私が琴を弾こう。
仲哀天皇
私に神を降ろすわ。
神功皇后
ということで。
仲哀天皇は琴、皇后は身を清めて待機。
そこへ現れた神様。
西の方に国がある。
ソコツツノオ
その国は金銀財宝、盛り沢山だ。
ナカツツノオ
その国をお前に服従させよう。
ウワツツノオ
熊曾の征伐などやめて、西の国に行けということです。
しかし仲哀天皇。
西は、見渡す限り海ばかり。
仲哀天皇
島なんてないじゃないか。
仲哀天皇
神様の嘘つき。
仲哀天皇
神様を嘘つき呼ばわり。
そんな仲哀天皇に神様、激おこです。
お前は天下を治めるべきものではない。
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
ただ一本の道を行け。
(黄泉の国へ行け。)
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
わ、我が君。
どうか琴を弾いて下さい。
タケウチ
タケウチ、大慌てです。
えー。
仲哀天皇
どうか。
タケウチ
・・・わかったよ。
仲哀天皇
仲哀天皇。
嫌々ながら琴を再び演奏し始めますが。
あれ?
タケウチ
琴の音色がプツリと途絶えました。
我が君?
タケウチ
・・・。
タケウチ
わっ!
タケウチ
・・・。
仲哀天皇
なんと仲哀天皇。
黄泉国へと旅立った後でした。
たっ大変だ!
タケウチ
神功皇后
仲哀天皇の突然の死に、みんな大慌てです。
タケウチ、どうしよう。
神功皇后
・・・
タケウチ
まずは我が君の遺体を仮宮に安置しましょう。
タケウチ
そうね。
神功皇后
それから国の大祓です。
タケウチ
大祓?
神功皇后
国のあらゆる罪を祓い清めましょう。
タケウチ
それがいいわね。
神功皇后
さっそく仲哀天皇の亡骸は殯宮へ移されて、儀式が執り行われました。
そして。
・・・。
タケウチ
西の方に国がある。
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
その国を、お前に従わせてやろう。
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
前と同じ神託です。
さらに、
この国は、皇后の腹の中の子が治めるべき国である。
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
なんと!
タケウチ
皇后のお腹にいる子が次の天皇になると、神様に保証されました。
皇后のお腹の子は・・
タケウチ
男の子だ。
ソコツツノオ
男の子。
タケウチ
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
えっと、神の名を知りたいのですが。
タケウチ
ソコツツノオ。
ソコツツノオ
ナカツツノオ。
ナカツツノオ
ウワツツノオ。
ウワツツノオ
三柱の神でしたか。
タケウチ
その国がほしいなら、諸々の神々を祀りなさい。
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
それから。
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
・・・。
タケウチ
私の魂を船に乗せて海を渡るように。
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
わかりました。
タケウチ
神の言葉に従った神功皇后。
えめ
新羅国を血を流すことなくゲット。
らる
おお。
村人
村人
お隣の百済国も配下に加わったんだけど。
神功皇后
どうしたべ?
村人
武力で他の国を攻めてはダメよ。
神功皇后
・・・だな。
村人
村人
真似したらアカンでな。
いな
それでは神様方にご挨拶です。
えめ
お賽銭はご挨拶の前に入れてしまいましょう。
らる
よし。
村人
さっそく入れるだよ。
村人
ちなみに賽銭の「賽」は、「神様へのお礼」を意味するそうです。
えめ
お礼だか。
村人
お賽銭は、
願いがかなったときや。
らる
日々の平穏を感謝するときに神様へ捧げる金銭となります。
えめ
感謝の気持を込めて。
村人
入れなきゃだな。
村人
賽銭箱の上には大きな鈴があります。
えめ
よし。鳴らすべ。
村人
だな。
村人
お賽銭を入れたら、今度はこの鈴を鳴らしましょう。
らる
鈴は、神を招く道具として古くから使われてきたのよ。
神功皇后
お賽銭を入れて、
鈴を鳴らしたら拝礼です。
えめ
拝礼の基本は、
2拝2拍手1拝。
らる
手順を確認してみようか。
仲哀天皇
① まずは背筋をピンと伸ばして、
ソコツツノオ
② 90度に腰を折って頭を下げます。
らる
③ 背筋を伸ばしてから、もう一度頭を下げてね。
ナカツツノオ
ここまでが「2拝」だよ。
ウワツツノオ
④ それから、両手を胸の高さに持ってきて、
仲哀天皇
⑤「パン、パン」と2回打ち鳴らします。
(2拍手)
らる
⑥ 両手を合わせたまま、いろいろとお話してね。
神功皇后
⑦ お話が終わったら、腰を折って頭を下げます。
(1拝)
らる
腰が痛い人は、無理に腰を折らないでな。
いな
さっぱりこ・・
という方や、
えめ
文字ばっかで、よくわかんね。
という方は。
らる
今すぐ、伊勢神宮さんのサイトへアクセス。
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
なるほど!
仲哀天皇
と納得できるわよ。
神功皇后
摂社も参拝です
摂社も参拝しましょう。
えめ
さきほど通った道を少し引き返すと、
らる
鳥居だな。
村人
朱いで目立つだな。
村人
こちらにも、たくさんの神様がお祀りされています。
えめ
順番に参拝していきましょう。
らる
まずは住吉稲荷大明神。
えめ
お稲荷さんです。
らる
お稲荷さんといえば、
えめ
すし!
村人
ではなくて、赤い鳥居と狐さん。
らる
赤は、豊穣を表す色だぞ。
お稲荷さん
もうひとつ、魔力に対抗する色とも言われとるな。
お稲荷さん
なあ、お稲荷さま。
村人
なんだ?
お稲荷さん
いろんな場所で、お稲荷さま祀られているだよな。
村人
そうだな。
お稲荷さん
ひょっとして、日本で一番多いだか?
村人
そう言われているぞ。
お稲荷さん
全国に稲荷神社は、だいたい3000社あるし。
いな
ここと同じ境内社なんかは、32000社くらいあるしね。
うか
企業や個人で祀られているお社も含めると、とんでもない数になるやろうなぁ。
お稲荷さん
そんな お稲荷さんの総本社は、京都の伏見稲荷大社。
えめ
主祭神は宇迦之御魂大神です。
らる
よろしくね。
ウカノミタマ
よろしくだよ。
村人
村人
って、何言ってるだよ姉さん。
村人
冗談言ってると神様に叱られるだよ?
村人
冗談じゃないでー。
いな
こちらの姉さんは実はウカノミタマ様や。
ウカノミタマ
いな
は?
村人
村人
で、うちは稲荷な。
いな
姉さん方、神様だっただか!
村人
村人
そうよ。
ウカノミタマ
うちはまだ修行中の眷属やけどな。
いな
ウカノミタマは穀物の神様。
えめ
ウカノミタマ様のお名前にある「ウカ」はな、
お稲荷さん
穀物や食物という意味の古い言葉だぞ。
お稲荷さん
「ミタマ」は「神霊」やから。
いな
「食物の神様」ってことだな。
村人
そうよ。
ウカノミタマ
それから、お稲荷さんの稲荷な。
いな
もともとは、「稲成り」や「稲生り」の意味でした。
らる
それが、神様が稲を荷っている姿でイメージされるようになってな。
お稲荷さん
「稲荷」の字があてられるようになったのさ。
お稲荷さん
名前からもわかるように、お稲荷さんは農業の神様です。
えめ
オラたちにとって、馴染みの神様だな。
村人
村人
商工業が発展してくると、今度は商売繁盛の神様として信仰されるようになったんやで。
いな
江戸時代になると、商家や町に朱塗りの鳥居と稲荷の社が造られるになっていったわ。
ウカノミタマ
また漁村では、漁業の神様としても信仰されています。
えめ
繁栄をもたらす お稲荷さま。
村人
ありがたいだな。
村人
稲荷神が稲荷山にご鎮座したのは、711年2月の初午の日だと言われています。
えめ
稲荷山?
村人
稲荷山は伏見稲荷大社の背後に広がる山のことだ。
お稲荷さん
その稲荷山にウカノミタマ様が降りてこられたのだ。
お稲荷さん
そのご鎮座にまつわる次のような話があります。
らる
稲荷神ご鎮座の少し前のこと。
作物のできの悪い年が続いていました。
困るべさ。
農民
んだよ。
農民
米さ、納めなきゃなんねえのに。
農民
おら達が食べる分も無いだよ。
農民
こうも不作の年が続くと大打撃です。
国を治める貴族の皆さん方も。
蔵の中すっからかんだよ・・・。
貴族
どうするさ・・・。
貴族
頭を悩ませます。
なんとかしなければな。
天皇
天皇、使者を派遣して神様に祈ります。
神様、どうすればいいのでしょう?
使者
すると。
稲荷山に大神を祀りなさい。
神様
との御神託。
それではさっそく!
ということで。
稲荷山に大神をお祀りしたら大豊作。
助かっただぁ!
農民
んだ!
農民
稲荷神を稲荷山にお迎えした日。
711年の2月の初午の日だったのだとか。
2月の初午の日には、初午祭が行われます。
えめ
大勢で賑わうでー。
いな
昔から変わらないわ。
ウカノミタマ
枕草子の初午に関わるお話を見てみましょう。
らる
- 枕草子より -
初午の日は初午詣よ。
清少納言
大ハリキリの清少納言。
早朝から稲荷山を登ります。
ところが。
きっつー。
清少納言
まだなの・・・?
清少納言
普段、あまり体を動かさない清少納言。
中ノ社のあたりで、息も絶え絶えです。
なんとか上ノ社まで・・・。
清少納言
気がつくと、もう時刻は10時過ぎ。
お日様があんな所に。
清少納言
まだまだ寒いこの季節。
いつもならポカポカなのですが。
あち〜。
清少納言
暑いこと暑いこと。
こんなに、きついとは。
清少納言
ちょこっと休憩。
木陰でヘタっていると。
・・・でな、
女性
わて、今日7回参拝するつもりなんよ。
女性
7回も!
知人
見ると40過ぎの女性。
今のところ3回参拝したから、あと4回やな。
女性
大丈夫?
知人
どうってことないわ。
女性
がんばってね。
知人
おおきに。
女性
知人と別れて元気に歩いていく女性。
そんな女性を眺めながら。
うらやましー。
清少納言
なんて思う清少納言でした。
こんな感じでみんな頑張ってお参りしたんやで〜。
初午の日にはな。
いな
昔は今よりも大変だったと思うわよ。
ウカノミタマ
お隣のお社に行ってみましょう。
らる
猿田彦社です。
えめ
御祭神は猿田毘古神。
らる
おっす!
サルタヒコ
サルタヒコは、ニニギが地上の世界に降りるときに道案内をした神様です。
えめ
そんなサルタヒコのお話をちょこっと見てみましょう。
らる
地上の世界は、お言葉のとおりお渡しします。
オオクニヌシ
よし。
タケミカヅチ
そのかわり、
私の住まいとして・・・。
オオクニヌシ
・・・。
タケミカヅチ
なんだかんだで。
地上の世界をゲットしたアマテラス。
息子のオシホミミを地上の世界へ。
地上は平定されたぞ。
オシホミミ。
アマテラス
地上へ降りて治めてこい。
アマテラス
母上。
オシホミミ
ん?
アマテラス
下界に降りる準備をしている間に。
オシホミミ
子供が生まれました。
オシホミミ
ほう。
アマテラス
その子に行かせましょう。
オシホミミ
ということで。
孫のニニギが地上へ降りることになりました。
それじゃあ、頼んだわね。
ニニギ。
アマテラス
さっそく行ってきます。
おばあさま。
ニニギ
・・・。
アマテラス
・・・。
ニニギ
・・・・。
アマテラス
・・・えっと。
ニニギ
・・・・。
アマテラス
行ってきます。
アマテラス姉さま。
ニニギ
うん。
途中まで見送るわね。
アマテラス
さて、ニニギ一行。
地上へ向かって歩いていると。
なにかしら。
アマテラス
道の先に、光を照らす神様。
ちょっと、ウズメ。
アマテラス
なに? アマテラス。
ウズメ
あなた、あの人に何者なのか聞いてきて。
アマテラス
えー。
ウズメ
大丈夫。
ウズメならガンの飛ばし合いに負けないわよ。
アマテラス
そうかな。
ウズメ
そうよ!
アマテラス
だから、ほら。
早く行ってきて。
アマテラス
うん、わかった。
ウズメ
ということで、ウズメが向かいます。
ねえ、そこのあなた!
ウズメ
はい。
サルタヒコ
何者さん?
ウズメ
自分は、国津神のサルタヒコと申します。
サルタヒコ
なんで、そこに立っているの?
ウズメ
アマテラス様のお孫さんが、地上へ降りると聞いて。
サルタヒコ
それなら自分がご案内しよう。
サルタヒコ
そう思って、お待ちしていたのでございます。
サルタヒコ
そうだったんだー。
ウズメ
アマテラスー。
そういうことらしいよ。
ウズメ
サルタヒコ殿、助かる。
アマテラス
いえいえ。
サルタヒコ
うちの者達を、よろしくお願いします。
アマテラス
お任せください。
サルタヒコ
ニニギ一行、地上の世界へ。
さて。
地上へ降りて、ほっと一息のニニギ。
サルタヒコさんのおかげだな。
ニニギ
ウズメ姉さん。
ニニギ
なに? ニニギ。
ウズメ
ここまで案内してくれたサルタヒコさん。
ニニギ
うん。
ウズメ
ウズメ姉さんが、故郷まで送って差し上げてよ。
ニニギ
まかせて。
ウズメ
それから姉さん。
ニニギ
ん?
ウズメ
サルタヒコさんの名前を受け継いでくれないかな。
ニニギ
いいの?
ウズメ
もち。
猿女君と名乗ってね。
ニニギ
サルメノキミかぁ。
わかった。
ウズメ
アメノウズメとともに伊勢に帰ったサルタヒコ。
えめ
伊勢の開拓にあたります。
らる
そこに、内宮が造られたよ。
サルタヒコ
私の子孫の大田命がヤマトヒメにお勧めしたんだ。
サルタヒコ
アマテラスを祀る地を探していたヤマトヒメ。
えめ
ふさわしい場所はないかの。
ヤマトヒメ
それなら五十鈴川の川上がおすすめですよ。
大田命
五十鈴川・・・。
ヤマトヒメ
ということで、ヤマトヒメ。
伊勢国へ。
らる
アマテラス様、いかがです。
ヤマトヒメ
美しい国だな。
アマテラス
気に入った。
アマテラス
こうして伊勢神宮が造られたのだそうです。
えめ
そんな大田命の子孫が宇治土公です。
らる
宇治土公家は猿田彦神社の宮司を代々務めているよ。
サルタヒコ
金刀比羅社です。
えめ
御祭神は大物主神。
らる
やあ。
オオモノヌシ
オオモノヌシは、オオクニヌシの国造りを手伝った神様やで。
いな
オオモノヌシ、オオクニヌシ。
村人
村人
名前がそっくりで、ごっちゃになりそうだな。
村人
だな。
村人
一緒に国造りをしていたスクナヒコナが常世国に旅立ってしまい、
えめ
なっ・・
オオクニヌシ
途方に暮れていたオオクニヌシ。
らる
オレ一人でどうやって、国造りをすればいいのさ・・
オオクニヌシ
そんなオオクニヌシの前に現れたのが、オオモノヌシよ。
うか
私の社を作って祀るんなら国造り手伝うよ?
オオモノヌシ
ぜひ!
オオクニヌシ
オオクニヌシの国造りは無事に完了します。
えめ
で、オオモノヌシは三輪山に祀られたんやな。
いな
そうだよ。
オオモノヌシ
さて、そんなオオモノヌシ。
えめ
日本書紀によるとオオクニヌシの和魂なのだそうです。
らる
にぎみたま?
村人
何だべ?
村人
和魂は神の優しい側面だよ。
オオモノヌシ
は?
村人
村人
日本の神は2つの性質を持っています。
えめ
和魂と荒魂です。
らる
和魂は神の優しく平和なところ。
オオモノヌシ
荒魂は神の荒々しい部分さ。
オオクニヌシ
荒魂・・・。
村人
なんだか怖いべな。
村人
荒々しいと言っても怖いだけじゃないぞ?
オオクニヌシ
その通り。
オオモノヌシ
荒魂はな、その荒々しさから新しいものを生み出すと言われているんや。
いな
そして和魂は、さらに幸魂と奇魂に分けられるわ。
うか
幸魂は運によって人に幸を与え、収穫をもたらします。
えめ
奇魂は奇跡によって人に幸を与え、知識や学問、技術を表します。
らる
そんな和魂であるオオモノヌシが力を貸してくれたおかげで、無事国造りが完成したと言えるよ。
オオクニヌシ
へえ。
村人
村人
つづいて住吉天神社です。
えめ
御祭神は、菅原道真さん。
らる
こんにちは!
菅原道真
道真様は学問・至誠の神様。
うめ
多くの人から信仰されているよ。
まつ
そんな道真さん。
えめ
どのような人生を歩まれたのでしょうか。
らる
私のご先祖様をちょこっと紹介するね。
菅原道真
まずは、曾祖父様から。
菅原道真
① 菅原古人さん
道真さんのご先祖様、もとは土師氏でした。
それが古人さんので菅原へと変わります。
土師から菅原に変えたいのです。
菅原古人
いいよ。
桓武天皇
よし。
これからは菅原古人だ。
菅原古人
土師から菅原へ。
土師氏は、古墳を作ったり土器を作ったり。
そんな技術者を束ねていたんだ。
菅原古人
しかし律令制が確立すると。
これからは学問だな。
菅原古人
ということで、学問を志します。
頑張った古人さん。
桓武天皇の侍読を勤めたよ。
菅原古人
侍読は天皇の教育係ね。
菅原古人
② 菅原清公さん
古人さんには、5人ほど息子さんがいました。
四男の清公が特に優秀だったな。
菅原古人
29歳で方略試に合格したよ。
菅原古人
方略試とは。
官吏登用のための試験のことさ。
菅原清公
合格すれば、出世の道が開かれたんだ。
菅原清公
さて清公さん。
804年に遣唐使として唐へ。
同じ船に最澄さんがいたな。
菅原清公
で、別の船には空海さんも乗っていたよ。
菅原清公
文章博士を任されたよ。
菅原清公
大学寮の学生さんに学問を教えたんだ。
菅原清公
清公さん、先生として優秀だったようです。
大学の外でも教えを受けたい!
学生さん
そんな学生さんが現れて。
先生、ちょっといいですか?
学生さん
おう、よく来たな。
ゆっくりしていきなさい。
菅原清公
自宅の書斎にて講義を行うようになります。
書斎の名は山陰亭。
小さな築山の西側に書斎があったからね。
山陰亭と名付けたよ。
菅原清公
山の東側なら山陽亭だったかもね。
菅原清公
しだいに、評判を聞いて自宅にやって来る学生さんが増えてきます。
書斎だけでは狭くなっちゃったんだ。
菅原清公
そこで、書斎につながる廊下で講義を行うことにしたよ。
菅原清公
廊下と言っても、今とは違って広い廊下。
宴会を開けるほど広い廊下です。
菅原氏の私塾「菅家廊下」の誕生です。
四男の是善が菅家廊下を引き継いだよ。
菅原清公
③ 菅原是善さん
11歳の頃から嵯峨天皇の側に仕えたよ。
菅原是善
天皇の前にて、漢文を読み上げたり。
詩を作ったりね。
菅原是善
そんな才能の持ち主でした。
24歳のとき文章得業生に選ばれたんだ。
菅原是善
文章得業生とは、中国の歴史と文学を学ぶ学生さんの中でも特に優秀な学生さん。
それから方略試に合格して。
菅原是善
34歳で文章博士となります。
(845年)
この年に、道真が産まれたよ。
菅原是善
道真の小さい頃の名前は、阿呼。
菅原是善
5歳で、和歌を作ったときには驚いたなぁ。
菅原是善
文章博士となった是善さん。
皇太子の教育担当者を任されたり。
地方官なんかも務めたけど。
菅原是善
20年以上、文章博士として学生さんを指導したよ。
菅原是善
④ 菅原道真さん
そんな学問の家柄に生まれた道真さん。
幼い頃から一生懸命、勉強したぞ。
菅原道真
23歳で文章得業生に選ばれて。
山陰亭を譲られたんだ。
菅原道真
これからは、この書斎で寝起きして勉学に励みなさい。
菅原是善
はい!
菅原道真
書斎にて学問に集中の道真さん。
3年後の26歳で方略試に合格して。
菅原道真
33歳のとき、文章博士に任命されたよ。
菅原道真
とは言っても。
喜んでばかりも いられなかったんだ。
菅原道真
道真よ。
菅原是善
なんでしょう。
菅原道真
博士の地位をゲットした気持ちは?
菅原是善
嬉しいに決まっております。
菅原道真
給料も上がったな。
菅原是善
もちろんです。
菅原道真
・・・。
菅原是善
?
菅原道真
道真よ。
心して聞きなさい。
菅原是善
は。
菅原道真
博士の地位は決して卑しいものではなく、給料も高い。
菅原是善
だから、人からは羨望の対象だ。
菅原是善
!
菅原道真
わたしはこの職を経験して人の心の恐ろしさを知った。
菅原是善
この事を忘れてはいけないよ。
菅原是善
・・・。
菅原道真
みんなが目指す、あこがれの文章博士。
なので、文章博士となると。
超大変。
菅原是善
いろいろ気苦労が絶えなかったようです。
それを父から警告された道真さん。
うかつな行動は控えよう。
菅原道真
心して仕事にかかります。
ところが。
新しい博士の講義、わかりにくー。
学生
だよなー。
前の博士のほうが良かったぜ。
学生
とか。
おい、聞いたか?
今度、文章得業生に選ばれたやつ。
学生
ああ、聞いたよ。
あんなやつを選ぶだなんて。
学生
今の文章博士って、名ばかりだよなー。
学生
学生
てな感じに陰口をたたかれて。
はぁ〜。
菅原道真
大変だったようです。
勤務評価が下がっちゃう。
菅原道真
今後の出世にも影響します。
菅原家の名誉に関わるよ。
菅原道真
そんな苦労の多い道真さんでしたが。
式部省のお役人を勤めたり。
式部省は、大学寮の上のお役所ね。
菅原道真
加賀国のお役人を勤めたり。
加賀国のお役人と言っても、加賀国に行く必要はなかったんだ。
菅原道真
だから都で家族と一緒だし、学生さんの学問の指導もできたよ。
菅原道真
ちなみに加賀国は、今の石川県の南部ね。
菅原道真
学者にふさわしい職業に就いて満足していた道真さん。
ところが、886年1月のある日。
讃岐国(香川県)の地方官に任命するよ。
えっ。
菅原道真
讃岐国でも頑張ってね。
道真さん、大ショック。
讃岐国の地方官は讃岐国に行かなければなりません。
弟子の指導ができないし、家族とも離れるじゃないか。
菅原道真
それに地方官だなんて菅家の仕事じゃないと思うんだ。
菅原道真
・・・。
菅原道真
もちろん行くからには頑張るけど。
菅原道真
きっと、人はこれを左遷と言うんだろうなぁ。
菅原道真
赴任前に行われた宴に出席した道真さん。
道真よ。
しばしの別れじゃの。
藤原基経
藤原基経さんの言葉に思わず涙を流してしまいました。
・・・
菅原道真
基経さんは、太政大臣。
朝廷のトップです。
藤原佐世さんにも慰められてしまいます。
泣くなよ。みっちー。
藤原佐世
みっちー言うな。
菅原道真
佐世さんは道真さんの父、是善さんの門下生。
道真さんとは兄弟弟子です。
ちなみに基経さんと佐世さん。
後のある事件に関わってきます。
さて、讃岐国へとやってきた道真さん。
都から遠く離れてしまったなぁ。
菅原道真
残してきた家族に学生さん、どうしてるかな。
菅原道真
寂しく思いますが、
でも来たからには、讃岐の人たちのために頑張るぞ!
菅原道真
真面目に仕事に取り組みます。
村人さんの苦しい生活を記録して。
おまんま、腹いっぱい食いたいだよ。
村人
ほんとだなぁ。
村人
なんとかしないと・・・。
菅原道真
讃岐国が大旱魃に襲われたときには。
よし!
菅原道真
七日七晩、雨乞いの儀式。
村人たちが困っています。
菅原道真
どうか恵みの雨を。
菅原道真
まかせといて!
神様
見事、雨をもたらしたとか。
道真さん、来てくれて助かっただぁ。
村人
本当だなぁ。
村人
ずっといてほしいな。
村人
そうだな。
村人
また、ある時には。
みんなで飲みましょう!
菅原道真
よっしゃー。
村人
村人
村の老人たちを招いて酒宴をひらいたり。
いいお役人さんです。
そんなある日のこと。
都で事件が起こりました。
ふん!
藤原基経
太政大臣の藤原基経さん、仕事を放棄。
自宅に引きこもってしまったのです。
⑤ 阿衡の紛議
原因は、宇多天皇の出した詔。
この中の「阿衡」にありました。
阿衡?
藤原基経
阿衡は地位は高いけど、お仕事はないですよ。
藤原佐世
なんだと。
藤原基経
そこへ至るプロセスを見てみましょう。
ぜひ帝に。
藤原基経
私が・・・。
時康親王
基経さんの後押しで時康親王、天皇に即位。(884年)
光孝天皇が誕生しました。
朕を補佐してね。
光孝天皇
わかりました。
藤原基経
基経さんに政務を委ねて。
お前たちに源姓を与える。
光孝天皇
これからは臣下として、つくしなさい。
光孝天皇
自分の子供達全員を臣籍降下。
皇族から臣下の地位に降ろしました。
自分の子供に天皇を継がせるつもりはないよ。
光孝天皇
それを基経さんに伝えるためだったとか。
だから安心して貞保親王を次の天皇にして。
光孝天皇
貞保親王は基経さんの甥。
基経さんの妹、高子さんの息子さん。
だから貞保親王が天皇になれば。
光孝天皇
兄は大きな権力ゲットよ。
藤原高子
ということになります。
ところが。
貞保は天皇にさせん。
藤原基経
誰が高子の息子など・・・。
藤原基経
実は基経さんと高子さん、仲が悪かったとか。
ということで、
定省殿を次の天皇に。
藤原基経
光孝天皇の死の間際に基経さん、源定省を次の天皇に推挙しました。
本当か!
光孝天皇
定省さんは、光孝天皇の息子さん。
臣籍降下させた子供たちの一人です。
こうして宇多天皇が誕生しました。
(887年)
がんばるよ!
宇多天皇
即位した宇多天皇。
天皇の仕事なんて右も左も分からないし。
宇多天皇
基経殿の助けが必要だよ。
宇多天皇
さっそく、お願いの文書を作成です。
いい感じに作ってね。
宇多天皇
任せてください。
橘広相
橘広相さんは、文章博士。
宇多天皇が頼りにしている人物です。
こうして広相さん力作の詔書が完成し、基経さんのもとへ。
一方、文書を受け取った基経さん。
摂政の立場で協力せよ?
藤原基経
受け取った文書には、基経さんに摂政として協力してほしいと書かれています。
摂政とは幼い天皇を補佐する役割。
すでに大人の宇多天皇。
基経さんが摂政になるのはおかしいでしょう。
どうも陛下と広相殿はその事を分かっていないらしい。
藤原基経
まあ、とりあえず一旦辞退しておこうか。
藤原基経
その当時、天皇から高い役職を与えられた者は一旦それを辞退する慣例がありました。
その後、天皇が改めて役職に就くことを命じ、それを受諾していたのです。
それじゃあ、またいい感じにお願いね。
宇多天皇
は。
橘広相
広相さん、再び文書を作成します。
その文書を読んだ基経さん。
まだ摂政の役割を勘違いしているな・・
藤原基経
文書には、またもや「摂政」の言葉が使われています。
宇多天皇と広相さん、いまだ摂政の役割を分かっていません。
しかも、
阿衡の任に就けとな。
藤原基経
阿衡とは古代中国の政治家、伊尹がついた官。
前陛下が私に出した文書にならっているのだろうが・・
藤原基経
光孝天皇が基経さんに出した文書にも「阿衡」の文字は使われていました。
しかし光孝天皇、
私への報告も私からの命令も全ては、基経を通してね。
宇多天皇
てな感じに基経さんの役割をはっきりさせています。
お前はどう思う?
藤原基経
は。
藤原佐世
阿衡は位は高いのですが、職務を持ちません。
藤原佐世
名誉職のようなものか。
藤原基経
陛下はもしかすると・・
藤原佐世
?
藤原基経
基経殿を政務から遠ざけるつもりなのかもしれません。
藤原佐世
・・・
藤原基経
基経さん、すべての職務を放棄。
自宅に引きこもってしまいました。
えっ
宇多天皇
橘広相
そうなると国の政治が、進みません。
どうすんべ・・・。
宇多天皇
まだ年若く、右も左も分からない宇多天皇。
経験豊富な基経さんを頼りにしていました。
なので。
基経殿を名誉職につける気なんて無いぞ。
宇多天皇
早いとこ、誤解を解かないとな。
宇多天皇
学者を集めて、阿衡について議論。
しかし。
阿衡が名誉職だなんていいがかりだ。
橘広相
いいや。阿衡は名誉職だ。
中原月雄
基経殿を阿衡の任につけて、政治に関わらせないつもりなんだ。
藤原佐世
さっぱりこ。
決着が付きません。
仕事に復帰してって、基経にお願いしてきて。
宇多天皇
は。
源融
左大臣の源融を派遣しますが。
阿衡の問題が解決しないと戻れませんな。
藤原基経
基経さん、なかなか聞き入れてくれません。
経験豊富な基経さんの不在。
朝廷でのお仕事は滞ります。
このままでは、まずいことになります。
源融
問題の文書を取り消して、新しく作り直しましょう。
源融
えー。
宇多天皇
このままでは、どんな災いが起きるかわかりませんぞ。
源融
・・・。
宇多天皇
しぶしぶながらも宇多天皇、問題の文書の誤りを認めました。
広相が阿衡を用いて文書を作ったのは誤りであった。
宇多天皇
朕は基経を名誉職につける気などない。
宇多天皇
だから機嫌を直して仕事に復帰して。
宇多天皇
ところで、詔書を作成した橘広相さん。
その罪を問われます。
・・・。
橘広相
自宅で謹慎の日々。
広相は何も悪くないのに。
宇多天皇
宇多天皇、基経さんに善処を要請します。
広相に悪意はなかったのじゃ。
宇多天皇
だから罪に問わないでくれないか。
宇多天皇
基経さんの娘さんを女御に迎えたりして。
なんとか関係改善に努めます。
その甲斐あって、
わかりました。
藤原基経
広相殿を罪に問うのはやめましょう。
藤原基経
やっとこさ広相さん、お仕事に復帰することができました。
やれやれ。
橘広相
長々と一年間も続いたこの事件。
こんな感じで解決はしましたが。
・・・。
宇多天皇
納得いかん。
宇多天皇
天皇としてやっていく自信、無くなっちゃうよ。
宇多天皇
そんななか、基経さんに真っ向から意見する人物が現れました。
道真さんです。
なんとかしなきゃ。
菅原道真
広相さんのピンチを聞きつけた道真さん。
讃岐国から都に駆けつけて、基経さんに意見書を送ったのです。
書籍の断片を綴って文章を作るのが作文の常道です。
菅原道真
なのに それで処罰されては、学問を志すものがいなくなってしまいます。
菅原道真
広相殿は、天皇の学問の師。
菅原道真
そして広相殿の娘さんは、天皇の后となり二人の皇子をもうけています。
菅原道真
功績にしても親密さにおいても基経どのに勝ります。
菅原道真
そんな広相殿を罪に問うのは得策ではありません。
菅原道真
だから率先して断罪の動きを止めてください。
菅原道真
基経さんに、はっきりと意見する道真さん。
おお・・・。
宇多天皇
宇多天皇、強く心を打たれたことでしょう。
道真をそばに置きたい。
宇多天皇
なんて思ったのではないでしょうか。
さて。
讃岐国から平安京へと帰った道真さん。
やっぱり都はいいな。
菅原道真
家族と一緒だし。
安心するよ。
菅原道真
宇多天皇から信頼されて次々と昇進です。
894年には、遣唐大使に任命されます。
お願いね。
宇多天皇
はっ。
菅原道真
しかし。
聞いたところでは、唐では内乱が続いています。
菅原道真
国力も衰えていて、大変危険な状態でしょう。
菅原道真
さらに遣唐使の多くは、遭難したり盗賊に襲われたり。
菅原道真
もう一度よく検討したほうがいいのでは。
菅原道真
うーん。
宇多天皇
朕としては遣唐使、派遣したいんだよなぁ。
宇多天皇
ということで、遣唐使を派遣するための計画は続けられていました。
しかし、国内での災害や唐の衰退。
道真さんらの昇進による人事の問題などで計画は進みません。
そうこうしているうちに唐が滅亡しちゃったんだ。
(907年)
菅原道真
遣唐使の歴史は幕を閉じます。
さて道真さん。
長女の衍子を宇多天皇の女御にしたり。
三女の寧子を斉世親王に嫁がせたりして。
皇族との関係を深めたよ。
菅原道真
そんな中。
天皇職、任せるね。
宇多上皇
つつしんで。
醍醐天皇
宇多天皇、息子に天皇を譲位。
醍醐天皇の時代が始まりました。
(897年)
これからは、朕の時代だよ。
醍醐天皇
醍醐天皇の時代にも道真さん。
よし。
菅原道真
熱心に仕事に取り組みます。
899年には、55歳で右大臣。
左大臣の藤原時平さんに続く地位です。
俺がトップだぜ!
藤原時平
時平さんは基経さんの息子さん。
私の息子だよ。
藤原基経
29歳とかなりの若手です。
道真殿とは、父の時代からの付き合いだよ。
藤原時平
詩をやり取りしたり。
菅原道真
贈り物を交わしたり。
藤原時平
そんな関係だったんだ。
菅原道真
しかし道真さん。
宇多上皇から贔屓されていると他の貴族たちから嫉妬されていました。
もとは学者のくせに。
貴族
俺たちを押しのけて出世しやがって。
貴族
生意気だ!
貴族
貴族
周りの貴族からの反感。
そんな諸々の火種が合わさって。
道真を大宰府に。
醍醐天皇
!
菅原道真
901年1月。
道真さん、大宰府に左遷。
そして。
・・・。
菅原道真
左遷されて間もない903年3月。
59歳の若さで黄泉国へと旅立ちました。
ひどいだもー!
うし
そうよねー!
って、あなた誰?
うめ
撫で牛だも。
うし
撫で牛?
まつ
天満宮に行くと、よく見かける牛さん。
えめ
天満宮の使いの牛さんです。
らる
そうだも。
うし
願いを込めて撫で撫でするといいだもよ。
うし
ところで、なんで牛なの?
うめ
これには、いろんな説があるそうです。
えめ
例えば道真さんの生まれた年が乙丑だからとか。
らる
お亡くなりになった日が丑の日だとか。
うし
私の遺体を乗せた車を引く牛が座り込んで動かなくなった場所。
菅原道真
その近くのお寺に私を埋葬したからだとか。
菅原道真
あら。道真様。
うめ
まだ あるだも。
うし
大宰府に向かう道真さんに切りかかった刺客。
えめ
その刺客をやっつけたなんて話もあります。
らる
やるじゃない。
うめ
だな!
まつ
照れるだも。
うし
ところで、お姉さんとお兄さんは誰だも?
うし
私は、道真さんを追いかけて大宰府まで飛んだ梅よ。
うめ
え?
お姉さん、梅だっただも?
うし
そうよ。
うめ
わし、てっきり桜だと。
うし
う・め・よ。
うめ
お・・おう。
わかっただも。
お兄さんは、松だよな?
うし
そうだよ。
まつ
お兄さんも、道真様追いかけて飛んだだも?
うし
・・・一応ね。
まつ
松ったら、最初は知らん顔していたのよ。
うめ
そうだったも?
うし
い・・いやっ!
知らん顔じゃなくて。
まつ
じゃなくて?
うめ
うし
行こうかなー。
どうしようかなぁって。
まつ
・・・。
うめ
うし
・・・。
まつ
それで、道真様が。
うめ
梅は飛び
桜は枯るる 世の中に
何とて松のつれなかるらむ
菅原道真
私のことを思って、
梅は飛び、桜は枯れちゃったのに。
菅原道真
松はつれないよなぁー。
菅原道真
なーんて和歌を詠まれたもんだから。
うめ。
慌てて飛んできちゃった。
まつ
ありがとね。
菅原道真
道真さんが亡くなった後。
えめ
都ではいろいろ異変が起こります。
らる
時平さんが39歳の若さで病死したり。
うめ。
醍醐天皇の皇子が亡くなったり。
まつ
清涼殿には雷が落ちただも。
うし
はじめは
「道真さんの祟だ〜」
なんて、みんなから怖がられたけど。
うめ。
時間がたつにつれてその記憶も薄まって。
まつ
今では学問の神様だも。
うし
優れた学者であり詩人であった道真さん。
えめ
「学問の神様」
「至誠の神様」
として多くの人から信仰されています。
らる
学問を志す人みんなを応援するよ。
菅原道真
社務所に寄ってみます
参拝終わったな。
村人
だな。
村人
社務所に行ってみるべか。
村人
おう。そうすんべ。
村人
社務所は拝殿の隣りです。
らる
お守りほしいな。
仲哀天皇
御朱印ゲット!
神功皇后
ご祈祷をお願いしたいな。
ソコツツノオ
ナカツツノオ
ウワツツノオ
そんな方は社務所にて。
えめ
ご祈祷をお願いしたい方は、あらかじめ電話連絡を。
☎ 0569-21-4748
らる
おみくじ引くだよ。
村人
よし。
村人
おみくじを引くなら先に拝殿にて、
えめ
神様、アドバイスがあったら教えてほしいだよ。
村人
村人
と、お願いしておくといいかもです。
らる
おめえ、どうだっただ?
村人
末吉だっただよ。
村人
この、おみくじの「大吉」や「中吉」や「小吉」。
らる
引いたときの自分の運気を教えてくれたりするそうです。
えめ
例えば「末吉」や「小吉」は、
神功皇后
運の低迷期から脱出し始めているよ。
ソコツツノオ
凶は、
仲哀天皇
今から運が低迷期に入るぞ。
ナカツツノオ
「大吉」は、
神功皇后
ただいま絶好調の運気だよ!
ウワツツノオ
「大吉・中吉・小吉」は、
今の運気を知らせるだけではありません。
えめ
神様からのメッセージが入る場合もあるのだとか。
らる
例えば「大吉」だったら、
オオモノヌシ
「よう来たなぁ〜」
と歓迎を伝えとるでな。
いな
または、
えめ
神様、つらいだよ・・・。
村人
そんな参拝者へ。
らる
「頑張れよ、負けるなよ」
と応援のメッセージのケースもあるの。
うか
願掛けされてもな、神が手出しできない時がある。
菅原道真
そんなとき「大吉」で応援していることを伝えるんだ。
サルタヒコ
「大吉」とは反対に「凶」を引いた時には。
えめ
あれ?この子、運が低迷しているのに気づいてないよ。
オオモノヌシ
これは教えてあげなきゃ。
オオクニヌシ
なんて神様の親切だったり。
らる
生理中や喪中に堂々と神社に参拝したりなんかして、
いな
お前、それはルール違反だぞ!
お稲荷さん
お稲荷さん
と注意されていたりします。
えめ
のんびりしましょう
参拝が終わったら、
しばらく境内でのんびり。
えめ
くつろいでしまいましょう。
らる
ゆっくりしていきや。
いな
でも夏は蚊が飛んでくるだ。
村人
かゆいだよ。
村人
そんな方におすすめなのが、虫除けスプレー。
えめ
らる
まぁ、完全に防げるわけじゃないで。
そこは、かんにんな。
いな
その分、
涼しくなったら ゆっくりしていってね。
うか
神社に参拝すると、
ちょうど祈祷が始まったり。
えめ
神前結婚式に出会うことがあります。
らる
それらは神様からの歓迎の印だよ。
菅原道真
気持ちのいい風が吹いたり。
まつ
チョウが体の周りを飛び回ったり。
うめ
そんな神様からのサインに出会えたら最高だも。
うし
愛知県半田市へお越しの際は、住吉神社へ。
えめ
大歓迎されるかもです。
らる
以上。
えめ
住吉神社でした。
らる
クイズとおみくじ
ここでちょこっとクイズに挑戦です。
えめ
3問答えて、おみくじを引いてみましょう!
らる
クイズに挑戦!
What is A ?
- answer1
- answer2
- answer3
Next ▶
得点
おみくじ
再挑戦?
- はい
- いいえ
お疲れ様でした
次は「神社あれこれ」です
次は「神社あれこれ」です
住吉神社あれこれ
神功皇后の帰国
さて、新羅国へ遠征の神功皇后。
お腹の中の子供。
産まれそうになるなんて事がありました。
ということで神功皇后。
石を拾ってお腹を冷やします。
そうして帰国した神功皇后。
筑紫国にて無事出産です。
また、ある村の河原にて。
4月の上旬。
水はまだひんやりしています。
着物の糸を抜き取って。
岩に腰掛けて、
米粒を餌に釣りをはじめました。
この着物の糸を使った釣り。
しばらく女性の間で、流行ったようです。
さて、倭に帰る途中の神功皇后一行。
都にて怪しい動きあることを知ります。
カゴサカとオシクマ。
仲哀天皇の息子さんです。
赤ちゃんの生命が狙われている。
それなら。
赤ちゃんの棺を乗せた船を用意して。
そんな噂を流すことにしたのでした。
さて。
噂を耳にしたカゴサカとオシクマの二人。
仲哀天皇の正妻である神功皇后。
二人にとっては邪魔なだけです。
ということで。
大阪湾あたりまで兵を進めて待ち伏せます。
いい獲物をゲットしたら、勝てるってことで。
さて、狩場にやってきた二人。
クヌギの木に登って獲物の様子をうかがいます。
ところが、その時。
あたりの木をなぎ倒して。
イノシシです。
怒り狂ったイノシシさんが突進してきました。
カゴサカが登った木までやって来ると。
勢いよく掘り始めました。
そして。
カゴサカの乗ったクヌギの木が横倒しに。
カゴサカ。
イノシシさんに食べられてしまいました。
占いの結果は、明らかに凶。
オシクマ、占いの結果を無視。
神功皇后と戦うことにしました。
さて、オシクマ。
皇后を待ち伏せます。
喪船がやってきました。
兵士の皆さんに命じて船を襲います。
ところが。
船から姿を表した兵士達。
オシクマ、びっくり。
兵士の皆さんもびっくりです。
あたふたするオシクマ側の皆さんをよそに。
戦いが始まりました。
オシクマ軍を率いる将軍はイサヒ。
皇后側の将軍は、タケフルクマ。
最初の動揺が効いたのか。
オシクマの皆さん押され気味です。
なんとか踏みとどまって戦います。
そんなオシクマ側の奮闘ぶりに。
皇后側の将軍タケフルクマ、思案します。
少しためらいつつも。
そうすることにしました。
当然、疑います。
そう言いながら、手紙をひらひら。
さっそくイサヒ。
タケフルクマ率いる皇后軍のもとへ。
振り返って兵士達に命じます。
兵士の皆さん。
自分の弓の弦を次々と切っていきました。
それを見届けたイサヒ。
イサヒ率いる兵士の皆さん、大喜び。
やれやれと言った感じに弓の弦をはずして。
武器を収めます。
そして、緊張が抜けたその時。
皇后軍の皆さん。
隠しておいた弓の弦を取り出して、素早く装備。
一斉に攻撃を仕掛けました。
慌てて自分の兵士を撤退させるイサヒ。
反撃しつつも琵琶湖まで追いやられて。
オシクマ軍、散り散りに。
船で湖上に逃れたオシクマとイサヒ。
そう言って、湖を眺めるオシクマ。
それから。
二人して、琵琶湖へドブン。
そのまま黄泉国へと旅立ってしまいました。
さて、オシクマに勝利した神功皇后。
ほっと、ひと安心。
亡くなったことにされた赤ん坊。
一度、体を清める必要があります。
ということで、タケウチ。
赤ちゃんとともに、福井県敦賀へ。
そこに仮宮を建てて。
そんなある日のこと。
太子の夢に神様が現れました。
翌朝、太子が浜に出てみると。
浜いっぱいにイルカの群れ。
こんなにたくさんの食べ物をくださった神様。
偉大な食物の神様ということで。
なんて、太子に名付けられてしまいました。
イザサワケ。
福井県敦賀市の氣比神宮の御祭神です。
打ち上げられたイルカさん。
その血が臭うこと。
それで、イルカが打ち上げられたこの岸。
名付けて、血浦。
さらに血浦が転じて都奴賀。
今の敦賀になったのだそうな。
さて、無事に禊を終えた太子。
迎えた皇后、大喜び。
さっそく自分で醸したお酒でお祝いです。
かなりハイな神功皇后。
太子、ちょこっと引き気味です。
そんな太子に代わって。
タケウチ、歌を返しました。
太子は、後の応神天皇。
太子を支えた神功皇后。
100歳にて黄泉国へと旅立ちました。
やば!産まれそう。
神功皇后
え!
タケウチ
ど・・どうしよう。
タケウチ。
神功皇后
お腹を冷やしましょう。
タケウチ
お腹を冷やす?
神功皇后
はい。
タケウチ
お・・・。
神功皇后
どうです? ヒメ。
タケウチ
収まったわ。
神功皇后
それはようございました。
タケウチ
帰るまでは、そのままにしておくわ。
神功皇后
お腹すいたわね。
神功皇后
そうですな。
タケウチ
・・・。
神功皇后
せっかくだから釣りをしましょうか。
神功皇后
いいですな。
タケウチ
んしょっ。
神功皇后
よいせっと。
神功皇后
困ったの。
神功皇后
カゴサカとオシクマの二人でしょう。
タケウチ
生まれた赤ちゃんとは異母兄弟だよ。
仲哀天皇
この子が気に入らないのであろうな。
神功皇后
神から天皇の地位を保証されてますからな。
タケウチ
さて、どうするかの。
神功皇后
どうしましょうか。
タケウチ
・・・。
神功皇后
お。
神功皇后
どうしました?
タケウチ
いいこと思いついた。
神功皇后
この子が黄泉国に旅立ったことにしよう。
神功皇后
えっ。
タケウチ
でな、本当らしく見えるように。
神功皇后
私の子が死んでしまった。
神功皇后
やった!
カゴサカ
チャンス到来。
オシクマ
だけど、皇后が居る限り。
カゴサカ
安心はできないな。
オシクマ
この機会にやっちまうか。
カゴサカ
そうだな。
オシクマ
不安だな。
カゴサカ
なにが?
オシクマ
俺たち、勝てるかな。
あの皇后に。
カゴサカ
勝てるさ。
オシクマ
でも、新羅国を戦いもせずに平定したんだぜ?
カゴサカ
ありえんな。
オシクマ
ありえんわ。
カゴサカ
なんか俺も不安になってきた。
オシクマ
よし。占うか。
カゴサカ
占う?
オシクマ
ああ。
狩りをして占おう。
カゴサカ
お・・・おいっ
オシクマ
なんだありゃ。
カゴサカ
うわっ。
カゴサカ
うわあああ。
カゴサカ
カゴサカー!
オシクマ
・・・。
オシクマ
・・・。
オシクマ
今のナシ。
オシクマ
あれだな。
オシクマ
かかれ!
オシクマ
かかったな。
オシクマ!
神功皇后
えっ。
オシクマ
ええっ。
ものども、存分に戦うが良いぞ!
神功皇后
おー!
兵士
兵士
負けぬよ。
イサヒ
こちらこそ。
タケフルクマ
くそっ。
オシクマ
ここで頑張んなかったやつ、
夕飯抜きだからな!
オシクマ
え〜。
兵士
兵士
めんどっこい奴らだのぉ。
タケフルクマ
太子が亡くなったって事にしたんだし・・・。
タケフルクマ
皇后も亡くなったってことにするか。
タケフルクマ
・・・。
オシクマ
イサヒ
ホントかよ・・・。
オシクマ
イサヒ。
オシクマ
は。
イサヒ
本当かな。これ。
オシクマ
疑わしいですね。
イサヒ
だよなぁ。
オシクマ
いかがいたしましょう。
イサヒ
うーん。
本当だったらあれだしなぁ。
オシクマ
それでは、
私が様子を見てきましょう。
イサヒ
うん。そうして。
オシクマ
そなたらは、本当に降伏する気があるのか。
イサヒ
皇后が亡くなっては、戦う理由がないゆえ。
タケフルクマ
それは、本心か?
イサヒ
疑うのもごもっとも。
タケフルクマ
皆のもの。
持っている弓の弦を切れ!
タケフルクマ
本当だったらしいな。
イサヒ
皆のもの。
我らの勝利だ。
イサヒ
帰って祝杯を上げるぞ!
イサヒ
ひゃほーい。
兵士
兵士
今だ! 皆のもの。
タケフルクマ
ほいきた。
兵士
兵士
なっ。
イサヒ
うわっ。
兵士
兵士
引け引け、皆のものー。
イサヒ
こりゃあ、もう駄目だな。
オシクマ
私が騙されたばっかりに。
イサヒ
いいよ。いいよ。
オシクマ
占いの結果を無視した俺が悪かったのさ。
オシクマ
・・・。
イサヒ
敵の手にかかるくらいなら。
オシクマ
ここは・・・?
オシクマ
イサヒ
おわっ
オシクマ
イサヒ
なっ?
オシクマ
イサヒ
黄泉国へようこそ!
黄泉国の神
ようこそ。
黄泉醜女
黄泉醜女
ふふ・・・。
ふたりともキリキリ働いてもらうわよ。
イザナミ
えっ。
オシクマ
イサヒ
ふ〜。
神功皇后
ようやく終わったの。
神功皇后
そうでございますな。
タケウチ
しかし、この子。
神功皇后
禊が必要ですな。
タケウチ
ここは私に任せて、ヒメは先にお帰りください。
タケウチ
すまぬな。
任せたぞ、タケウチ。
神功皇后
しばらくの間、こちらにて暮らしますぞ。
タケウチ
元気に育ってくだされ。
タケウチ
太子よ。
イザサワケ
ん?
ホムタワケ
わっ 神様だ。
ホムタワケ
寝ている所、すまぬな。
イザサワケ
いいえ。
かまいませんよ。
ホムタワケ
今日は太子に頼みがあって参った。
イザサワケ
なんでしょう?
ホムタワケ
私の名と太子の名前を取り替えてほしいのだ。
イザサワケ
お安い御用です。
ホムタワケ
そうか。すまぬな。
イザサワケ
神様からの依頼なら、
どんとこいですよ。
ホムタワケ
うむ。
それでは礼をしなければな。
イザサワケ
礼?
ホムタワケ
明日の朝、浜に出てきてくれ。
イザサワケ
浜ですね。
わかりました。
ホムタワケ
うわっ!
ホムタワケ
すごい。
ホムタワケ
驚いたろ?
イザサワケ
神様、ありがとう。
ホムタワケ
御食津大神!
ホムタワケ
うん。悪くないぞ。
イザサワケ
うーん。
それにしても・・・。
ホムタワケ
都へ帰りましょう。
タケウチ
うん。
ホムタワケ
この御酒は、
神功皇后
わたしが醸した御酒ではありません。
神功皇后
酒の長で常世にいらっしゃる、
神功皇后
石の姿のスクナヒコナ。
神功皇后
踊り狂って祝い醸し、
神功皇后
酒槽廻って祝い醸し、
神功皇后
献上してきた御酒です。
神功皇后
どんどん召し上がれ。
神功皇后
さあさあ。
神功皇后
・・・。
ホムタワケ
この御酒を醸した人は、
タケウチ
その太鼓を臼の上に立てて。
タケウチ
歌いながら醸したからか。
タケウチ
舞いながら醸したからか。
タケウチ
この御酒は御酒は、
タケウチ
なんとも、まあ楽しいことよ。
タケウチ
さあさあ。
タケウチ
また今度。
応神天皇
参考資料
このページの作成に、次の資料を参考にさせていただきました。
えめ
ありがとうございます。
らる
住吉神社
半田町史(国会図書館デジタルコレクション)コマ番号91
住吉大社公式ページ
狛犬
明治神宮公式ページ
参拝の作法
東京都神社庁
神社のいろは1(神社本庁)
大国主命
出雲大社公式ページ
ウィキペディア
「日本の神様」がよくわかる本(戸部 民夫)
古事記(池澤 夏樹)
古事記(中村 啓信)
伊弉諾尊
ウィキペディア
「日本の神様」がよくわかる本(戸部 民夫)
古事記(池澤 夏樹)
古事記(中村 啓信)
市杵島姫命
宗像大社公式ページ
ウィキペディア
ウィキペディア
「日本の神様」がよくわかる本(戸部 民夫)
古事記(池澤 夏樹)
古事記(中村 啓信)
足名椎命・手名椎命
ウィキペディア
「日本の神様」がよくわかる本(戸部 民夫)
古事記(池澤 夏樹)
古事記(中村 啓信)
大山咋神
ウィキペディア
松尾大社
神社のいろは1(神社本庁)
天照大神
ウィキペディア
「日本の神様」がよくわかる本(戸部 民夫)
古事記(池澤 夏樹)
古事記(中村 啓信)
住吉三神
ウィキペディア
「日本の神様」がよくわかる本(戸部 民夫)
古事記(池澤 夏樹)
古事記(中村 啓信)
日本書記(宮澤 豊穂)
仲哀天皇
ウィキペディア
古事記(池澤 夏樹)
古事記(中村 啓信)
日本書記(宮澤 豊穂)
神功皇后
ウィキペディア
古事記(池澤 夏樹)
古事記(中村 啓信)
日本書記(宮澤 豊穂)
お稲荷さん
伏見稲荷大社公式ページ
伏見稲荷大社公式ページ(伊奈利社ご鎮座説話)
伏見稲荷大社公式ページ(初午)
ウィキペディア(稲荷神)
ウィキペディア(稲荷神社)
神社のいろは 1(神社本庁)
稲荷山
伏見稲荷大社公式ページ
伏見稲荷大社公式ページ
猿田彦
猿田彦神社
ウィキペディア
大物主神
ウィキペディア(大物主)
古事記(池澤 夏樹)
古事記(中村 啓信)
日本書記(宮澤 豊穂)
和魂・荒魂
ウィキペディア(荒魂・和魂)
菅原道真さん
ウィキペディア(菅原道真)
ウィキペディア(菅原清公)
ウィキペディア(菅原是善)
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ウィキペディア(紀伝道)
ウィキペディア(官位相当制)
大学寮
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阿衡の紛議
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飛松伝説
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板宿八幡神社
おみくじ
神様が教えてくれた金運のはなし(桜井識子): おみくじの読み解き方
神功皇后の帰国
古事記(池澤 夏樹)
古事記(中村 啓信)
だから冬は家にこもりがち。