目次
案内人の紹介
えめ
苦手だった玉ねぎを好きになる。
なんで好きになったのか不思議に思う日々。
らる
かぼちゃ大好き。
好きすぎて食べすぎてしまうことあり。
うか
上品なお姉さん。
その正体は、ウカノミタマ。
いな
陽気なお姉さん。
その正体は、お稲荷さん。
村人
しっかり者の村人さん。
名前は、スクナ。
村人
どこか抜けてる村人さん。
名前は、スサノ。
尾張多賀神社の紹介
尾張多賀神社とは
今回は、愛知県常滑市の尾張多賀神社に参拝します。
えめ
境内は、木々に囲まれた気持ちのいい空間が広がります。
らる
地図で場所を確認してみましょう。
えめ
らる
尾張多賀神社地図
尾張多賀神社には、
えめ
多賀神社
イザナギ
冨士浅間神社
サクヤヒメ
山神社
オオヤマツミ
の3つのお社があります。
らる
多賀神社には、伊弉諾尊。
えめ
よろしく。
イザナギ
イザナミ様と、日本の島々を創った神様だな。
村人
神様方も生み出しただ。
村人
富士浅間神社の御祭神は、木花咲耶姫。
らる
こんにちは。
サクヤヒメ
べっぴんさんだな。
村人
だな!
村人
サクヤヒメは、ニニギの奥さんやでな。
いな
ニニギは、アマテラス様のお孫さんよ。
うか
山神社には、大山祗命。
えめ
よろしくな。
オオヤマツミ
山の神様だよ。
村人
自然の恵みをくださる、ありがたい神様だ。
村人
以上の3神。
らる
実は親子3代にわたる神様方だったりします。
えめ
イザナギ様とイザナミ様から、オオヤマツミ。
いな
オオヤマツミの娘さんの一人がサクヤヒメ。
うか
そんな尾張多賀神社に。
えめ
らる
さっそく行ってみるだ。
村人
村人
尾張多賀神社参拝
ようこそ!
イザナギ
オオヤマツミ
サクヤヒメ
奥山半僧坊
鳥居をくぐりましょう
一の鳥居です。
えめ
くぐるべか。
村人
鳥居の前で、一礼するだな。
村人
は?
村人
いや、だから鳥居の前で一礼するだよ。
村人
なしてだ?
村人
鳥居から内側は、神様のおうちだからだよ。
村人
鳥居の中は、神様の領域。
えめ
一礼して、くぐります。
らる
おめえ、誰かの家に入るとき、黙って入るだか?
村人
お邪魔しますって言うだよ。
村人
鳥居をくぐる時も同じだ。
村人
ちゃんと一礼するだよ。
村人
なるほど、分かっただ。
村人
狛犬さんいるだな。
村人
お出迎えだな。
村人
お前達、よく来たな。
狛犬(あ)
初めての参拝か?
狛犬(うん)
そうだよ。
村人
おら達、初めて参拝だ。
村人
それならまずは自己紹介だ。
狛犬(あ)
自己紹介?
村人
村人
挨拶は大切だぞ?
狛犬(うん)
神様のいらっしゃる場所に訪問するのだからな。
狛犬(あ)
失礼のないように礼儀正しくするのは当然だ。
狛犬(うん)
なるほど。
村人
村人
おらは、スクナ。
村人
おらは、スサノだ。
村人
スクナにスサノか。
狛犬(あ)
どこから来たのだ?
狛犬(うん)
半田市から来ただよ。
村人
住所を詳しく言ってくれると助かるな。
狛犬(あ)
え、どうしてだ?
村人
お前たちが願掛けした時に、お前たちの所へ行くのに必要だからだ。
狛犬(うん)
もちろん、住所を知らなくても探せないこともないが。
狛犬(あ)
時間がかかるからな。
狛犬(うん)
なるほど、住所を知っていれば素早く来れるだな。
村人
そうだ。
狛犬(あ)
なあ、狛犬様。
村人
なんだ?
狛犬(うん)
自己紹介は声に出さなきゃなんないだか?
村人
当然だ!
狛犬(あ)
大声で言わなきゃならん!
狛犬(うん)
えっ 大声で?
村人
村人
・・・。
狛犬(あ)
ぷ・・・。
狛犬(うん)
わーははっ。
狛犬(あ)
冗談だ。
狛犬(うん)
別に口に出す必要はないぞ。
狛犬(あ)
心の中で、言えば充分だ。
狛犬(うん)
わかっただ。
村人
村人
そうそう。
狛犬(あ)
自己紹介は、初めて参拝する時だけでいいからな。
狛犬(うん)
2回目からは、言わなくてもいいだか。
村人
いいぞ。
狛犬(あ)
狛犬(うん)
最初の鳥居をくぐったら、自己紹介を始めます。
えめ
心の中で言えば、OKだとか。
らる
声に出さなくても神様には、ちゃんと届くでな。
いな
もちろん、声に出してもいいわ。
うか
周りに誰も居ないなら。
村人
大声で、言ってみるだか?
村人
神社を参拝するとき何気なく目にしている鳥居。
えめ
よく見ると、いろんなパーツがあります。
らる
せっかくじゃて、この機会に確認な。
オオヤマツミ
・・・。
村人
おめえ・・・。
無理に覚えなくてもいいぞ?
村人
手水で手と口を清めます
参道を進みましょう。
えめ
うっしゃ!
ダッシュで行くだ。
村人
おい。
村人
はは。
冗談、冗談。
村人
って、お前。
真ん中歩いたらダメだべ。
村人
へ?
村人
参道は、なるべく真ん中を歩かないように気をつけます。
えめ
神様がお通りになると言われているからです。
らる
わかっただか?
村人
おう、わかっただ。
村人
ちなみに神様の通り道は、
「正中」
と呼ばれてるでな。
いな
手水舎です。
えめ
こちらで、手と口を清めてしまいましょう。
らる
手水の使い方、おぼえてる?
うか
バッチリだ。
村人
・・・。
村人
おめえ、もしかして。
村人
知らないだよ。
村人
そんな方は、この機会にマスターしてしまいましょう。
らる
手水舎では、
サクヤヒメ
① まず右手で柄杓を持って、
② 手水舎から水をくみます。
らる
③ そして、その水を左手にかけて清めたら、
えめ
④ 左手に柄杓を持ちかえて、
⑤ 右手に水をかけて清めます。
らる
⑥ もう一度、右手に柄杓を持ちかえて、
⑦ 左の手のひらに水をためて、その水を口に含みます。
えめ
⑧ 口に含んだ水は
「手水舎の外側」
に静かに吐き出しましょう。
らる
飲まないでね。
イワナガヒメ
⑨ それから、左手に水をかけて清めます。
えめ
⑩ 最後に柄杓を傾けて。
らる
残った水を柄杓の持ち手にかけて洗ってね。
奥山半僧坊
柄杓の水は、少しずつ使うのがポイントじゃよ。
オオヤマツミ
レッツ チャレンジ。
えめ
らる
参拝しましょう
それでは、参拝しましょう。
えめ
神様にご挨拶だ。
村人
村人
おい、お前たち。
狛犬(あ)
おわっ。
村人
村人
拝礼の手順はバッチリか?
狛犬(うん)
もちろんさ。
村人
・・・。
村人
おめえ、やっぱり。
村人
知らないだよ。
村人
では、拝礼の手順を確認しましょう。
らる
① まずは背筋をピンと伸ばして、
イザナギ
② 90度に腰を折って頭を下げます。
らる
③ 背筋を伸ばしてから、
もう一度頭を下げてね。
サクヤヒメ
ここまでが、「2拝」だよ。
奥山半僧坊
④ それから、両手を胸の高さに持ってきて、
禅師
⑤「パン、パン」と2回打ち鳴らしてね。
(2拍手)
イザナミ
⑥ 両手を合わせたまま、いろいろお話してな。
オオヤマツミ
願掛けも、この時にね。
イワナガヒメ
⑦ お話が終わったら、
腰を折って頭を下げます。
(1拝)
らる
以上が拝礼の手順だよ。
イザナギ
どうだ、わかっただか?
村人
うーん、いまいち。
村人
そんな時は、伊勢神宮さんのサイトにアクセスだ。
狛犬(あ)
丁寧でわかりやすいぞ。
狛犬(うん)
まずは、多賀神社。
えめ
御祭神は、伊弉諾尊です。
らる
よっす!
イザナギ
イザナギ様は、イザナミ様と力を合わせて島々を生み。
うか
その島々を守る神様方を生み出したんやで。
いな
そのとおり!
イザナギ
なんだけど・・・。
イザナギ
どうしたべ?
村人
火の神カグツチの誕生でイザナミ様、大やけどしてもうてなぁ。
いな
それがもとで、亡くなってしまったの。
うか
大切な妻を失ったイザナギ。
えめ
イザナミー。
イザナギ
泣きまくり。
らる
流れた涙から、新たな神様が生まれるほどやで。
いな
ナキサワメが誕生したのよ。
うか
ちょっと父さん。
いつまで泣いてんのよ!
ナキサワメ
へ?
イザナギ
ちゃんと、母さんを埋めてあげなきゃダメじゃない!
ナキサワメ
お、おう。
確かにそうだな。
イザナギ
イザナギ、なかなかイザナミのことを忘れられません。
えめ
イザナミ・・・。
イザナギ
黄泉国かぁ・・・。
イザナギ
ん? 黄泉国。
イザナギ
なんだ。
イザナギ
俺が黄泉国まで行けばいいじゃないか。
イザナギ
ということで、
イザナギ、黄泉国へ。
らる
イザナギ元気だった?
イザナミ
おう。
イザナミの方はどうなのさ。
イザナギ
ふふ・・元気よ。
イザナミ
こんな感じで、イザナミと話すことができたのですが。
えめ
黄泉国の食べ物を口にしたから帰れないの。
イザナミ
なんてこった・・・。
イザナギ
一緒に帰れないようです。
らる
だけど、イザナギがせっかく来てくれたんだし。
イザナミ
イザナミ、黄泉国の神様と相談してみることにしました。
えめ
私が戻ってくるまで、
絶〜対のぞいちゃダメよ?
イザナミ
わかった、わかった。
早く行ってきなよ。
イザナギ
ところが。
らる
イザナミ、遅い!
イザナギ
待てなくなったイザナギ。
約束を破って建物の中へ。
えめ
その結果。
らる
なっ!
イザナギ
・・・。
イザナミ
変わり果てたイザナミの姿を見て、びっくり仰天。
えめ
うわあぁぁ。
イザナギ
一目散に逃げ出してしまいました。
らる
あれほど、のぞくなと言ったのに!
イザナミ
激おこのイザナミ。
えめ
黄泉の軍勢を引き連れてイザナギを追いかけます。
らる
待てー!
イザナミ
逃さない・・・。
黄泉醜女
黄泉醜女
ひゃっほーい!
雷神
雷神
雷神
・・・。
イザナギ
追手を振り切って逃げまくりのイザナギです。
えめ
話がちょっと長くなるので。
イザナミ
くわしくは、
尾張多賀神社あれこれでね。
イザナギ
なんだかイザナギ様、残念な感じだべ。
村人
だな。
村人
しかし、それが。
うか
の誕生につながるで、何が幸いするかわからんな。
いな
つづいて、冨士浅間神社。
えめ
御祭神は、木花咲耶姫です。
らる
木の花が咲くような繁栄を。
サクヤヒメ
お姉さんは磐長姫。
えめ
岩のような永遠を。
イワナガヒメ
そんなサクヤヒメのエピソードも見てみましょう。
らる
それじゃあ、
地上の世界、お願いね。
アマテラス
はい。
任せてください。
ニニギ
アマテラスの孫、ニニギ。
高天原から地上へ。
ある日、笠紗の岬を歩いていると。
一人の娘さんに出会いました。
なんと・・・!
ニニギ
ニニギ、一目惚れです。
こんな自分の理想にぴったりな女性。
初めてだぜ。
ニニギ
思わず声をかけてしまいました。
こんにちは。
いい天気ですね。
ニニギ
ええ、本当に。
サクヤヒメ
・・・。
ニニギ
・・・。
ニニギ
会話が続きません。
思わず声かけちゃったけど。
ニニギ
なに話そう。
ニニギ
気の利いたこと・・・。
ニニギ
・・・。
ニニギ
ダメだ、思いつかねぇ。
ニニギ
そんなニニギの内心の叫びなどつゆ知らず。
サクヤヒメ、ニコニコと。
なんだか面白い方ね。
サクヤヒメ
ニニギの言葉を待っています。
んーと・・・。
ニニギ
・・・。
ニニギ
・・・。
サクヤヒメ
誰の娘さんかな?
ニニギ
気の利いた事、何も思いつきませんでした。
それにしても。
まずは、名乗らんか。
アマテラス
思わず、そう言いたくなる所です。
しかし、サクヤヒメ。
父は、オオヤマツミ。
私はサクヤヒメと申します。
サクヤヒメ
優しく微笑みながら答えてくれたのでした。
サクヤヒメ・・・。
ニニギ
いい名だなぁ。
ニニギ
・・・。
サクヤヒメ
お姉さんか妹さんは?
ニニギ
姉にイワナガヒメがいます。
サクヤヒメ
イワナガヒメ・・・。
ニニギ
お姉さんもきっと。
ニニギ
さぞかし美人さんなのでしょう。
あの・・・サクヤヒメ。
ニニギ
はい?
サクヤヒメ
俺の・・・。
ニニギ
俺の?
サクヤヒメ
妻になってくれ!
ニニギ
出会って数分しかたってないのに。
ニニギのびっくり発言。
いきなり、それか!
アマテラス
しかし、サクヤヒメ。
そんなニニギの申し出にも笑顔で答えます。
私一人では決められません。
サクヤヒメ
父にも相談してみないと。
サクヤヒメ
とりあえず、断られはしなかったようです。
ニニギ、ガッツポーズ。
よっしゃー!
ニニギ
さっそく、オオヤマツミへ連絡です。
娘さんを妻にください!
ニニギ
なんと!
オオヤマツミ
オオヤマツミ、大喜び。
アマテラスのお孫さんに見初められるとは。
オオヤマツミ
さっそく祝いの品々を用意して。
気をつけてな。
オオヤマツミ
はい。
サクヤヒメ
イワナガヒメ
2人を送り出したのでした。
さてニニギ。
え?
お姉さんも来るの?
ニニギ
イワナガヒメも一緒だと聞いて。
やったー!
ニニギ
期待に胸が高鳴ります。
サクヤがあんなに可愛いんだもんな。
ニニギ
イワナガヒメも可愛いに決まってる。
ところがどっこい。
対面してびっくりです。
イワナガヒメと申します。
イワナガヒメ
え・・・。
ニニギ
どうやら、イワナガヒメ。
ニニギの好みじゃなかったようです。
・・・。
ニニギ
?
イワナガヒメ
その日のうちに。
実家に帰されてしまいました。
一方、オオヤマツミ。
とてもホクホクです。
♪
オオヤマツミ
祝い酒を飲んだりして。
ホクホクだったのですが・・・。
・・・。
イワナガヒメ
!
オオヤマツミ
しょんぼりと帰ってきたイワナガヒメに。
どうした? 何があった?
オオヤマツミ
オオヤマツミ、大慌て。
・・・。
イワナガヒメ
うつむいて口を開かないイワナガヒメ。
そんな娘から。
話してみなさい。
オオヤマツミ
なんとか事情を聞き出します。
・・・かくかくしかじか。
イワナガヒメ
そして。
あんのヤロォォォ・・・。
オオヤマツミ
当然です。
自分の娘がそんな扱いを受けたら。
誰だって、怒るわよ。
アマテラス
怒るね。
タカギ
怒るわ。
アマテラス
しかし。
そこは山の神様オオヤマツミ。
ふー。
オオヤマツミ
なんとか自分を落ち着かせて。
ニニギに次の言葉を送りました。
イワナガヒメをあなたのもとに送ったのは、
オオヤマツミ
天津神の子孫が、
岩のように長く不動の命を持つようにするため。
オオヤマツミ
サクヤヒメをあなたのもとに送ったのは、
オオヤマツミ
天津神の子孫が、
花のように栄えるようにするためでございました。
オオヤマツミ
なのに、あなたはイワナガヒメを送り返してしまった。
オオヤマツミ
残念なことですが、天津神の子孫の命。
オオヤマツミ
花のようにもろく儚いものとなるでしょう。
オオヤマツミ
これがもとで代々の天皇。
永く生きられなくなってしまったとか。
さて、サクヤヒメ。
ある日、子供を授かりました。
ニニギに伝えなきゃ。
サクヤヒメ
ワクワクしながらニニギのもとへ。
ねえ、ニニギ。
サクヤヒメ
なんだい? サクヤ。
ニニギ
私、赤ちゃんができたみたいなの。
サクヤヒメ
・・・。
ニニギ
・・・。
サクヤヒメ
・・・。
ニニギ
・・・あれ?
サクヤヒメ
ねえ、サクヤ。
ニニギ
ん?
サクヤヒメ
それって、本当に俺の子?
ニニギ
え・・・?
サクヤヒメ
国津神の子供じゃないの?
ニニギ
はぁ?
サクヤヒメ
ニニギの、とんでも発言。
この・・・
サクヤヒメ
馬鹿ニニギ!
サクヤヒメ
サクヤヒメ、大ショック。
ねえ、ニニギ。
サクヤヒメ
な、なに?
ニニギ
お腹の子が国津神の子なら。
サクヤヒメ
きっと、難産になるわ。
サクヤヒメ
・・・サクヤ?
ニニギ
でもね。
サクヤヒメ
この子は、あなたの子よ。
サクヤヒメ
だから、何があっても無事に生まれてくるわ!
サクヤヒメ
サクヤヒメ。
戸のない大きな産屋を用意しました。
この中で産みます。
サクヤヒメ
そう言って、産屋の中へ。
産屋の入口は、土で塗り固めます。
そして。
サクヤー!
ニニギ
なんと、サクヤヒメ。
産屋に中から火を放ちました。
この子は、あなたの子よ。
サクヤヒメ
だから、この炎の中でも無事に生まれるわ。
サクヤヒメ
逃げ道なしだな。
タカギ
これでニニギの疑いも。
カムムスビ
綺麗サッパリ、消えるわね。
アマテラス
ちょっと、サクヤ!
やりすぎだよ。
ニニギ
大慌てで、助けに行こうとしますが、
来ないでニニギ!
サクヤヒメ
炎の中から、サクヤヒメが叫びます。
無事に赤ちゃんを生んで。
サクヤヒメ
あなたの子であることを証明するから!
サクヤヒメ
なに言ってんだ!
ニニギ
サクヤが、焼け死んじゃうじゃないか!
ニニギ
いいえ。
サクヤヒメ
お腹の子は、あなたの子よ。
サクヤヒメ
だから、私が焼け死ぬことはないわ。
サクヤヒメ
サクヤ・・・。
ニニギ
・・・。
ニニギ
疑うんじゃなかったぁ。
ニニギ
・・・。
ニニギ
何かできること・・・。
ニニギ
とりあえず、水の入った桶を用意しました。
いざとなったら。
ニニギ
水を頭からかぶって。
サクヤを助けるつもりだね。
タカギ
そのようね。
アマテラス
サクヤ・・・。
ニニギ
・・・。
ニニギ
と、そのとき。
ニニギ
生まれた!
ニニギ
よっしゃあー!
ニニギ
ニニギ、ガッツポーズ。
桶の水を頭からバシャーとかぶって。
産屋の壁を蹴破って突入!
どりゃあー!
ニニギ
ニニギ・・・。
サクヤヒメ
サクヤヒメ。
無事に3人の赤ちゃんを出産できました。
やれやれ。
アマテラス
めでたし、めでたし。
タカギ
カムムスビ
ちなみに生まれた赤ちゃんの一人。
後の山幸彦です。
初代、神武天皇のおじいさんにあたります。
すげえな、サクヤヒメ。
村人
だな。
村人
優しいだけの姫さんじゃないぞ。
狛犬(あ)
気の強さもある素晴らしい女性だ。
狛犬(うん)
男はダメね、姉さん。
サクヤヒメ
本当よ。
イワナガヒメ
こちらは、山神社。
えめ
御祭神は、大山祗命です。
らる
わしの出番じゃな。
オオヤマツミ
オオヤマツミは山の神様。
えめ
春になると山から降りてくるだよな。
村人
田畑を実らせてくれる、ありがたい神様だ。
村人
猟師さんにとっては、山に住む動物を。
えめ
樵さんにとっては、
豊かな木々を恵んでくださるありがたい神様です。
らる
農耕を始める前の大昔。
オオヤマツミ
人間は狩猟採集によって、食べ物を確保しておった。
オオヤマツミ
山には、木の実や芋なんかがあって。
えめ
ウサギや鹿、イノシシなどの獣もいます。
らる
それらを食糧にしてただな?
村人
そうじゃ。
オオヤマツミ
山に行けば、食い物が見つかっていただな。
村人
山には、植物や動物が当たり前におるからの。
オオヤマツミ
確かに、そうだな。
村人
村人
しかしな。
オオヤマツミ
古代の日本人は「当たり前」だとは考えなかった。
オオヤマツミ
?
村人
村人
山は、なんとありがたい場所なんだろうと考えて。
オオヤマツミ
と、山に感謝しておった。
オオヤマツミ
へえ。
村人
村人
お前たちの祖先はな。
オオヤマツミ
自然に対して、深く感謝の気持を持っていたのさ。
オオヤマツミ
当たり前のものにも、感謝できる。
オオヤマツミ
日本人とは、そういう民族なのじゃよ。
オオヤマツミ
じゃあ、おら達も。
村人
感謝の気持ちを忘れないようにしなきゃいけないだな。
村人
奥山半僧坊にも参拝です
次のお社に参拝しましょう。
えめ
参道の途中の鳥居が目印。
らる
うっしゃ。
村人
行ってみるだ。
村人
奥山半僧坊です。
えめ
お坊さんだか。
村人
村人
このようなちょっとした階段を上がると。
らる
小さな鳥居とお社があります。
えめ
こちらにいらっしゃるのは、
奥山半僧坊大権現。
らる
おっす。
奥山半僧坊
静岡県浜松市の方広寺をお守りする神様です。
えめ
ここもお守りしてくれるだか。
村人
ありがたいだな。
村人
方広寺を開いた無文元選禅師(1323~1390)のもとで修行したよ。
奥山半僧坊
禅師が亡くなると、方広寺を守る神様となりました。
らる
そんな奥山半僧坊にまつわるお話も見てみましょう。
えめ
中国にて修行をつんだ無文元選禅師。
日本に帰ることになりました。
ついに・・・。
禅師
禅師の乗った船は日本へ向けて出港。
しばらくは順調な航海でしたが。
・・・。
禅師
大丈夫かな・・・。
禅師
ある日、とんでもない嵐に遭遇。
船員さん、大忙し。
・・・。
船員さん
船員さん
乗客の皆さん、不安顔。
大丈夫かしら。
乗客
乗客
・・・。
禅師
無事に日本に帰れるかなぁ。
禅師
・・・。
禅師
・・・。
禅師
せっかく、
中国で学んだんだし。
禅師
絶対、日本に帰らなきゃな。
禅師
こんな時こそ、仏様だ!
禅師
禅師、一心に観音経を唱えます。
世尊妙相具 我今重問彼 仏子何因縁 名為観世音・・・
禅師
具足妙相尊 偈答無盡意 汝聴観音行 善応諸方所・・・
禅師
・・・。
?
弘誓深如海 歴劫不思議 侍多千億仏 発大清浄願・・・
禅師
・・・。
?
仮使興害意 推落大火坑 念彼観音力 火坑変成池・・・
禅師
・・・。
?
いつの間にやら、禅師の前に異人さん。
あれ?
禅師
こんな人・・・。
船に乗っていたっけ。
禅師
・・・。
異人さん
不思議です。
不思議な異人さん、大きく息を吸い込むと。
・・・。
異人さん
大声を張り上げました。
どわっ!
禅師
無事に、
日本へとお送りします!
異人さん
どうかご安心を!!
異人さん
・・・。
禅師
どうかご安心を!
異人さん
・・・。
禅師
はぁ〜。
禅師
もう。
急に大声あげないでよ。
禅師
それは失礼しました。
異人さん
ではもう一度。
異人さん
私が禅師を!
異人さん
・・・。
禅師
無事に、
日本へとお送りします!
異人さん
どうかご安心を!!
異人さん
いや、
それはわかったから。
禅師
そうでありましたか。
異人さん
大事なことなので、2度言いました!
異人さん
なんだか変な人だなぁ。
禅師
あっ。
異人さん
?
禅師
今、この人。
異人さん
変な人だとか、思いませんでした?
異人さん
えっ・・・。
禅師
思ったでしょ?
異人さん
思ってないぞ?
禅師
ホントかなぁ。
異人さん
思ってないぞ?
禅師
そんな異人さんとのアホなやりとり。
・・・。
禅師
あれ?
禅師
禅師、不安が消えていました。
彼のおかげかなぁ。
禅師
・・・。
異人さん
この人なら。
禅師
やってくれるかも。
禅師
希望が芽生えました。
さて、異人さん。
禅師の期待通りの大活躍。
舵を右に!
異人さん
よっしゃあ!
船長
船長さんに細かい指示を出したり。
みんな、がんばるぞー!
異人さん
おー!!
船員さん
船員さん
船員さんを励ましたり。
そんなこんなで、船を上手く誘導します。
そして。
・・・。
船長
船員さん
船員さん
禅師
船は無事に博多の港へ到着。
みんな、ほっと一息です。
今度の嵐はやばかったな。
船長さん
もうダメかと思いましたぜ。
船員さん
あの異人さんいなかったら、どうなっていたことやら。
船員さん
お礼しなきゃな。
船長さん
ということで。
異人さんを探してみたのですが。
いたか?
船長さん
ここには・・・。
船員さん
向こうにも・・・。
船員さん
どこにも異人さん、見当たりません。
・・・。
禅師
・・・。
禅師
これはきっと、
仏様が助けてくれたのだ。
禅師
そうに違いない。
禅師
あの異人さん・・・。
禅師
観音経を唱えていたら、
いつの間にやら居ったしな。
禅師
そういうことにしました。
そんなこんなで。
無事に日本へ帰ってきた禅師。
浜名湖周辺を治める奥山氏に招かれて、
お寺を・・・。
奥山氏
わかりました。
禅師
方広寺を開きます。
方広寺!
禅師
そんな禅師のもとへ。
オラ、修行するだ!
禅師
オラもだ!
禅師
多くの修行僧が集まります。
皆さん、日々真面目に修行。
禅師も気合を入れて、修行僧を導きます。
ファイトー!
禅師
そんなある日のこと。
禅師の弟子にしてください!
異人さん
声でかっ。
禅師
異人さんがやって来ました。
すでに法衣を着て、やる気満々です。
・・・。
異人さん
おう、がんばれや!!
禅師
禅師、異人さんの弟子入りを認めました。
ところで、
お前さんのその格好・・・。
禅師
?
異人さん
すでに半ば僧だな。
禅師
禅師の言葉に、異人さん大喜び。
われは半僧なり!
半僧
異人さんの名前、「半僧」に決まりました。
半僧さん、朝には薪を集めて。
わっせっせ!
半僧
夕方には水汲み。
ほいさっさ!
半僧
よう働くなぁ。
禅師
力仕事はおまかせを!
半僧
修業に励みます。
半僧さんにとって幸せな日々。
しかし禅師も人の身。
お別れの日はやってきます。
・・・。
禅師
師匠・・・。
半僧
・・・。
禅師
・・・。
半僧
・・・。
禅師
うう・・・。
半僧
・・・。
禅師
うわあぁぁん!
半僧
・・・。
禅師
師匠、師匠、ししょー!
半僧
・・・。
禅師
うわあぁぁん!
半僧
ちょっと、半僧!
禅師
へ?
半僧
少し静かにしてよ。
禅師
う・・・うっす!
半僧
禅師を見送った半僧さん。
禅師から受けた恩に報いようと一大決心。
私は、この山を護り、この寺を護って。
半僧
世の人々の苦しみや災難を除きましょう!
半僧
そう言って姿を消しました。
半僧さん見たでー。
どこで?
松の木のてっぺん。
とか。
半僧さん、笛吹いてたぞ。
楽しそうに、太鼓叩いていたよ。
など。
そんな感じで、半僧さん。
えめ
たまに姿を見せることがあったようです。
らる
しっかり、お寺を守ってますよ。
半僧
なんて、
アピールしてたでねえか?
村人
かもな。
村人
そんな半僧さん。
えめ
悪人の邪心を清める。
半僧
とか。
らる
悪い事したら、お仕置きだよ。
半僧
といった感じに霊験もあらたか。
えめ
多くの人から信仰されるようになりました。
らる
社務所に寄ってみます
参拝が終わったので、
社務所に寄ってみましょう。
えめ
手水舎のお隣が社務所です。
らる
お神札やお守りなどが欲しいときには、社務所にて。
えめ
おみくじも社務所で、いただきます。
らる
さっそく引いてみるだよ。
村人
そうだな。
村人
小吉だっただ。
村人
おらは中吉だよ。
村人
おみくじの中身は、神様からのアドバイス。
えめ
ここだなぁ。
サクヤヒメ
と思う所を、しっかりマーク。
らる
スマホで写真に撮って。
狛犬(あ)
忘れないように、毎日眺めるのもいいかもな。
狛犬(うん)
猫さんがやって来ました。
えめ
よぉ。
ねこ
こんにちは。
らる
ようきたなぁ。
ねこ
社務所の台の上に上がって、ご挨拶です。
えめ
わし、他の参拝客も歓迎せなあかんで。
ねこ
もう行くなー。
ねこ
猫さん、次の参拝者のもとへ向かいました。
らる
のんびりしましょう
参拝が終わったら。
えめ
しばらく境内でのんびりしましょう。
らる
気持ちいいでな。
村人
すぐに帰るのは、もったいないだよ。
村人
山神社のお隣に、ご神木があります。
えめ
オガタマノキじゃよ。
オオヤマツミ
「オガタマ」は、
神道思想の「招霊」から来ているのよ。
サクヤヒメ
スサノオの高天原でのいたずらのために、
えめ
ひゃっほー。
スサノオ
天岩戸に引きこもったアマテラス。
らる
われが、アヤツを甘やかしたばっかりに・・・。
アマテラス
そんなアマテラスの注意をひくために、岩戸の前で舞を披露したアメノウズメ。
えめ
アマテラスー。
アメノウズメ
その時、アマノウズメが手にしていたのが。
らる
オガタマノキだよ。
アメノウズメ
なんて説があるとか。
えめ
オガタマノキは、古くから玉串として使われていたのよ。
イワナガヒメ
榊が自生していない地域でね。
サクヤヒメ
なあ、神様。
村人
どうした?
イザナギ
人間はどう生きるのが一番だべ?
村人
おめえ・・どうしだだ。
村人
ん? 何が。
村人
熱でもあるんでねえだか。
村人
無いだよ。
村人
じゃあ・・変なもんでも食ったんでねえか?
村人
食ってねえだよ。
失礼なやつだな。
村人
おらだって、たまには真面目なこと考えるだよ。
村人
へえ。
村人
で、神様。
村人
人間はどう生きるのが良いか、だったな。
イザナギ
それはな、真心を持って生きることじゃよ。
オオヤマツミ
真心?
村人
村人
真心とは、他人のために尽くそうという純粋な気持ち。
えめ
偽りや飾りのない心、真剣につくす心。
らる
例えば人と接するとき。
奥山半僧坊
真心があれば相手のことを思って言葉を選ぶだろ?
イザナギ
だな。
村人
村人
人を傷つけることは言わないし。
サクヤヒメ
失礼なことも言わないわ。
イワナガヒメ
嘘ついたり、バカにしたりもしないし。
狛犬(あ)
ましてや、意地悪したり、騙したりなんて事はありえん。
狛犬(うん)
真心を持って、人と接すれば相手に優しくできる。
オオヤマツミ
そうすれば、自分の気持ちも良い方向へと動くわ。
イザナミ
確かに、人に親切にすると気持ちいいだよな。
村人
気持ちいいだよ。
村人
仕事も真心を持ってすればいい。
イザナギ
そうすれば、文句を言うこともないし、サボる気持ちも起こらないわ。
サクヤヒメ
同僚の悪口なんて言わないし、足を引っ張ることもない。
イワナガヒメ
ただ、与えられた仕事に一生懸命になれる。
奥山半僧坊
そうすれば、誰からも認められる。
狛犬(あ)
狛犬(うん)
おお。
村人
村人
やるべきことは、唯一つ。
オオヤマツミ
真心で生きる、これだけだ。
イザナギ
真心で生きるなら、その先の行動は自ずと決まるわ。
サクヤヒメ
何かをしようとする時、真心にかなっているかどうかを考えなさい。
イワナガヒメ
そうすれば、間違った生き方はしないぞ。
奥山半僧坊
わかっただ。
村人
村人
神社の良さは、実際に参拝するとよくわかります。
えめ
もちろん、
その日の体調によっては。
イザナギ
よくわかんない・・・。
サクヤヒメ
なんてこともあるがの。
オオヤマツミ
いろんな神社を参拝して。
らる
この神社いいなぁ。
村人
だなぁ。
村人
なんて神社に出会えたら。
えめ
参拝しまくりだよ!
半僧
清々しい空気の満ちている尾張多賀神社。
らる
愛知県常滑市にお越しの際は、ぜひ尾張多賀神社へ。
えめ
以上。
えめ
尾張多賀神社でした。
らる
クイズとおみくじ
ここでちょこっとクイズに挑戦です。
えめ
3問答えて、おみくじを引いてみましょう!
らる
クイズに挑戦!
What is A ?
- answer1
- answer2
- answer3
Next ▶
得点
おみくじ
再挑戦?
- はい
- いいえ
お疲れ様でした
次は「神社あれこれ」です
次は「神社あれこれ」です
尾張多賀神社あれこれ
イザナギ、黄泉国へ
イザナミを失って。
毎日悲しみに暮れるイザナギ。
今日も今日とて、頭に浮かぶのは。
黄泉国へと旅立ったイザナミのことばかり。
上を向いて、またため息。
しばし晴れた空を眺めます。
そう、黄泉国。
イザナミに会えるかもしれません。
そうと決まれば、善は急げ。
イザナギ、さっそく旅支度。
黄泉国へと向かうことにしました。
さて、黄泉国までやって来たイザナギ。
目の前には、でっかい建物。
それはいいのですが。
しばらく建物の前を右往左往。
そのうち。
門の横に小さいポッチリ発見。
さっそくポッチリを押してみました。
腹に響く重低音。
ポッチリのあたりから声がしました。
どうやらイザナミと話せるようです。
イザナギ、ドキドキしながら待っていると。
懐かしい、妻の声。
二人の会話が弾みます。
イザナミ。
黄泉の神様のもとへ。
さてイザナギ。
ワクワクしながら待っていたのですが。
その時間の長いこと。
その辺を歩いてみたり。
屈伸したり、体操したり。
イザナミ、戻ってきません。
しばらく我慢していたイザナギでしたが。
とうとう待ちきれなくなりました。
黄泉国の建物の中をのぞいてみます。
しかし中は、真っ暗。
なんにも見えやしません。
左のみずらに挿している爪櫛。
いけるかも。
ということで、イザナギ。
爪櫛の歯をひとつポキッと折って。
歯の先に火を灯して中をのぞいてみました。
返事はありません。
イザナギ、建物の中へ。
なんだか、鼻につく匂い。
返事はありません。
さらに奥へと進むイザナギ。
ちょこっと先に、黒い影。
袖で鼻を押さえつつ。
かがんで、櫛明かりを近づけてみると。
なんと、そこにあったのは。
変わり果てたイザナミの姿。
体はすでに腐って蛆がわき。
体の周りには雷神たち。
イザナギ、超びっくり。
腰を抜かして尻餅をついてしまいました。
我を忘れて、ワタワタと後ずさり。
そして。
ダッシュで逃亡です。
時間は少し戻って。
黄泉の神様の元へと向かったイザナミ。
なんとかイザナギと一緒に帰れないかと。
黄泉の神様と交渉中です。
ちょこっと上目遣い。
がっかり。
急いで戸口へと戻ります。
しかし。
ソンビまっしぐらなイザナミ。
なかなか思うように進めません。
ちょこっと休憩。
イザナミが再び進もうとしたその時。
かすかに聞こえるイザナギの声。
息をひそめて、目をこらすと。
遠くから、小さな明かり。
慌てて奥へと戻ろうとするイザナミ。
しかし、体が上手く動いてくれません。
うつ伏せにすっ転んでしまいました。
そうこうしている間にも。
イザナギの声が近づいてきます。
立ち上がろうとしますが。
うまく力が入りません。
なるたけ体を縮めます。
近づいてくるイザナギ。
心の中で、必死に叫ぶイザナミ。
イザナギが、しゃがむ気配。
そして・・・。
イザナギ。
どうやら腰を抜かしたもよう。
ため息をつくイザナミ。
よいしょ。
イザナミが立ち上がろうとしたその時。
大声をあげて、遠ざかるイザナギ。
イザナミ呆然。
側にいた雷神たち。
慌ててイザナミから遠ざかります。
建物がグラグラと揺れ始めて。
びしっ。
逃げていくイザナギを、まっすぐ指さして。
黄泉醜女たちに命令を下しました。
さて、逃げ出したイザナギ。
足を速めます。
と、そのとき。
体の横を何かが、かすめて行きました。
今度は反対側。
思わず立ち止まるイザナギ。
イザナミが放った黄泉醜女です。
イザナギ。
周りを囲まれてしまいました。
イザナギ、必死に考えます。
ジリジリと。
距離をせばめる黄泉醜女達。
イザナギ、ピンチ。
と、そのとき。
気の抜ける音。
音のもとを見やるイザナギ。
視線の先には黄泉醜女。
なんだか恥ずかしげにモジモジ。
ひょっとして。
さっと目をそらす黄泉醜女たち。
ビンゴ。
イザナギ。
頭に乗っけていたカズラの輪っかを外すと。
足元に投げました。
すると・・・。
いっせいに山葡萄が育って。
あたり一面、山葡萄だらけ。
黄泉醜女の皆さん大喜び。
みんな仲良く山葡萄を食べ始めました。
イザナギ、小さくガッツポーズ。
そっと距離をとって・・・。
静かに、ダッシュ!
急いでその場から逃げ出しました。
ところが。
いくらも経たないうちに。
黄泉醜女たちです。
走りながらイザナギ、考えます。
イザナギ、右のみずらに手をやると。
挿していた爪櫛を抜き取って。
後ろへ放り投げます。
すると・・・。
地面からタケノコ。
黄泉醜女の皆さん、またまた大喜び。
みんなして、タケノコ引っこ抜いて。
タケノコパーティが始まりました。
なんだか、いい事した気分。
イザナギ走ります。
遅れてやって来たイザナミ。
いい感じに焼けたタケノコ。
歯ごたえがあって、なかなかにいけます。
ポリポリ・・・。
タケノコ食べて、元気いっぱいの雷神さん。
雷バチバチと飛んでいきました。
イザナギに、してやられる可能性大です。
袖から手のひらサイズの通信機。
かくかくしかじか。
イザナギを捕まえたいので。
通信を終えた瞬間、現れる黄泉の軍勢。
黄泉の神様、仕事が早い。
黄泉の軍勢。
一斉にイザナギの追跡開始です。
さて、走りまくりのイザナギ。
さすがに疲れてきました。
腰に吊るしたひょうたんを取って。
後ろを振りかえると。
遠くに土煙。
どんどん近づいてきます。
黄泉の軍勢です。
空には雷神。
雷をまとって飛んできます。
慌ててイザナギ、ダッシュ。
しかし黄泉の軍勢、どんどん追いついてきます。
空に雷神。
驚くイザナギを見て得意顔。
足元の小石を拾ったイザナギ。
スコーンと、雷神のオデコに命中。
腰の剣を抜いたイザナギ。
黄泉の軍勢を牽制しながら走ります。
そして。
黄泉国の境目あたりまで来たとき。
桃です。
思わず3つばかり、もいで・・・
迫る黄泉の軍勢を見るイザナギ。
増えてるし。
黄泉の軍勢の皆さん。
地上の世界にまで溢れ出す勢いです。
と、そのとき。
先頭の黄泉の兵士さん。
桃を見て、いきなりストップ。
後ろに続いていた兵士さんたち。
止まれずにぶつかって大騒ぎ。
手元の桃を見るイザナギ。
そっと、桃を差し出すと。
兵士の皆さん後ずさり。
間違いなく桃を怖がっています。
イザナギ。
黄泉の兵士たちに向かって、桃を。
黄泉国の皆さん、あっという間に退散。
イザナギ大喜び。
イザナギの手元に、桃の実1つ。
どうやら気に入ってくれたようです。
桃の木に手を振ると。
イザナギ、大急ぎで地上へ向けて走ります。
さて、イザナミ。
どういうわけか、戻ってくる黄泉の軍。
なんて思いつつ。
イザナギへ向けて足を進めます。
そして。
イザナギ発見。
桃の木の前で、楽しげに笑っています。
イザナギへ向かって足を速めます。
こちらを見たイザナギ。
慌てて坂を駆け上がり始めました。
頑張って走るイザナミ。
しかし。
なんと、イザナギ。
でかい岩で、黄泉国の入り口を。
頑張って、坂をのぼるイザナミでしたが。
塞がれてしまいました。
岩の向こう側のイザナギに、叫びます。
さて、イザナギ。
すると背中の向こうから。
イザナミの声。
思わずつぶやくイザナギ。
そんなこんなで、地上では。
毎日1000人が黄泉国に旅立って。
1500人が誕生するようになったのだとか。
・・・。
イザナギ
イザナミ・・・。
イザナギ
黄泉国かぁ。
イザナギ
ん? 黄泉国・・・。
イザナギ
それじゃあ、
俺が黄泉国に行けば・・・。
イザナギ
なーんだ。
イザナギ
ここが・・・。
イザナギ
でけーなぁ。
イザナギ
どうやって、
イザナミ呼べばいいんだろ。
イザナギ
ん?
イザナギ
・・・。
イザナギ
よし。
イザナギ
はい、どちらさまで?
受付猫
あの・・。
イザナギ
はい。
受付猫
私、イザナギと申します。
イザナギ
はい、イザナギ様。
受付猫
実は先日、私の妻のイザナミが亡くなりまして。
イザナギ
はい。
受付猫
でも、ここに来れば・・。
イザナギ
イザナミに会えるんじゃないかと思いまして。
イザナギ
そうでしたか。
受付猫
ですが申し訳ございません。
イザナギ様。
受付猫
イザナミ様に、お会いすることはできません。
受付猫
そこをなんとか。
イザナギ
そう言われましても。
決まりですから・・・。
受付猫
・・・。
イザナギ
あ。
受付猫
でも、戸口越しにならお話できますよ?
受付猫
え?
イザナギ
イザナミ様をお呼びしましょうか?
受付猫
ぜひ!
イザナギ
それでは、少々お待ちください。
受付猫
イザナギー聞こえるー?
イザナミ
イザナミ!
イザナギ
久しぶりだなぁ。
元気か?
イザナギ
元気よ。
イザナギの方はどうなの?
イザナミ
ああ。
元気でやってるよ。
イザナギ
俺が泣いていたらその涙から娘が生まれてさ。
イザナギ
ちょっと父さん。
いつまで泣いてんのよ!
ナキサワメ
ちゃんと、母さんを埋めてあげなきゃダメじゃない!
ナキサワメ
お父さん、しっかりしてよって叱られちゃったよ。
イザナギ
ふふ、そうなの。
イザナミ
・・・。
イザナギ
・・。
イザナギ
イザナギ?
イザナミ
なあ、イザナミ。
イザナギ
なあに?
イザナミ
いっしょに始めた国づくりだけどなぁ。
イザナギ
うん。
イザナミ
まだ途中だよな?
イザナギ
ええ。
イザナミ
まだまだ、たくさんの神が必要だよな?
イザナギ
そうねぇ。
まだまだ必要かしら。
イザナミ
だからさ、イザナミ。
戻ってきてよ。
イザナギ
イザナギ・・・。
イザナミ
・・・。
イザナミ
イザナミ?
イザナギ
ごめんね、イザナギ。
イザナミ
私、ここで食事をしたから、もう戻れないの。
イザナミ
えっ なんで?
イザナギ
そういう決まりなのよ。
イザナミ
なんてこった・・・。
イザナギ
・・・。
イザナミ
・・・。
イザナギ
いや。
イザナギ
何かいい方法があるはず。
イザナギ
・・・。
イザナミ
一緒に考えてみよう。
な、イザナミ。
イザナギ
そうねぇ・・・。
イザナミ
せっかく、イザナギが会いに来てくれたんだし。
イザナミ
・・・。
イザナミ
あっ
イザナミ
どうした?
イザナギ
黄泉の神様と相談すれば、いけるかも。
イザナミ
黄泉の神様?
イザナギ
高天原に帰してくれるかもしれないわ。
イザナミ
おお!
それなら早く行ってきなよ。
イザナギ
うん、そうする!
イザナミ
・・・。
イザナミ
ねえ、イザナギ。
イザナミ
なんだい?
イザナギ
わたしが帰ってくるのを待っている間だけど、
イザナミ
うん。
イザナギ
絶っ対、のぞかないでよ?
イザナミ
え、なんで?
イザナギ
いいから!
とにかく、のぞかないで。
イザナミ
わかった?
イザナミ
わかった、わかった。
イザナギ
早く黄泉国の神様の所に行ってきなよ。
イザナギ
うん。
それじゃあ、行ってくるね。
イザナミ
まだかな。
イザナギ
・・・。
イザナギ
イザナミ、まだかなぁ・・。
イザナギ
遅いなぁ・・・。
イザナギ
・・・
イザナギ
あ〜もう、イザナミ遅い!
イザナギ
ちょっとだけ・・・。
イザナギ
なにか明かりになるもの。
イザナギ
明かりに・・・。
イザナギ
・・・。
イザナギ
そうだ。
イザナギ
これに火を灯せば・・・。
イザナギ
よし。
イザナギ
おーい、イザナミー。
イザナギ
ちょっとだけ中に・・・。
イザナギ
なんだろ、この匂い。
イザナギ
おーい、イザナミー。
イザナギ
もうちょっと奥まで・・・。
イザナギ
イザナミー。
イザナギ
ん?
イザナギ
なんだ? あれ。
イザナギ
よく見えない。
イザナギ
おわ!
イザナギ
な・・・。
イザナギ
んが?
雷神
雷神
雷神
・・・。
イザナギ
うわあああ!
イザナギ
・・・。
イザナミ
それでね、黄泉の神様。
イザナミ
うちの旦那・・イザナギが、一緒に帰ろうって。
イザナミ
ここまで足を運んで来てくれたんですよ。
イザナミ
だから、一緒に帰らせてもらえませんか?
イザナミ
だめだめ。
黄泉の神
だってイザナミちゃん。
黄泉の神
この国のご飯、
食べちゃったじゃない。
黄泉の神
おいしそうに。
黄泉の神
う・・確かにそうだけど。
イザナミ
はいはい。
このお話は、もうおしまい。
黄泉の神
イザナギにもそう伝えてきなさいな。
黄泉の神
やっぱりダメかぁ・・・。
イザナミ
ちょこっと、
期待してたのになぁ。
イザナミ
ほらほら、早く行かないと。
黄泉の神
あなたの旦那さん、
待ちきれなくてウズウズしているわよ?
黄泉の神
えっ それはまずい!
イザナミ
ね。
早く行ってあげなさいな。
黄泉の神
そうします。
イザナミ
イザナギにこんな姿見られたくないわ!
イザナミ
体、重い〜。
イザナミ
ふ〜。
イザナミ
よし、あと少し!
イザナミ
!
イザナミ
なんで・・・。
イザナミ
イザナギ!
イザナミ
も〜。
なんで入ってくるのよぉ。
イザナミ
あっ・・。
イザナミ
痛ったぁ。
イザナミ
やばっ。
イザナミ
ん〜。
イザナミ
ここはもう、イザナギをやり過ごすしかないわ。
イザナミ
イザナミー。
イザナギ
・・・。
イザナギ
なんだ? あれ。
イザナギ
こっちに来ないでー!
イザナミ
よく見えない・・・。
イザナギ
おわ!
イザナギ
あ〜あ。
見られちゃった・・・。
イザナミ
一緒に帰れなくなったこと、伝えなきゃね。
イザナミ
え・・・?
イザナミ
イザナギ・・・。
イザナミ
なんで逃げるのよ・・・。
イザナミ
一緒に帰ろうって、言ったじゃない。
イザナミ
・・・。
イザナミ
許さない・・・。
イザナミ
私に恥をかかせて。
イザナミ
やべ・・・。
雷神
雷神
雷神
絶対に・・。
イザナミ
絶対に、許さない!
イザナミ
イザナギィ。
ここから帰さないわよ!
イザナミ
あなた達!
イザナギを追うのよ!
イザナミ
ラジャー!
黄泉醜女
黄泉醜女
やば・・イザナミ。
本気で怒っちゃった。
イザナギ
捕まったら最後だよ・・・。
イザナギ
わっ!
イザナギ
うわっ また!
イザナギ
・・・。
イザナギ
何だ・・・あいつら?
イザナギ
・・追いついた。
黄泉醜女
黄泉醜女
逃さない・・・。
黄泉醜女
黄泉醜女
イザナミの手下か・・・。
イザナギ
まずい・・・。
イザナギ
なんとかしないと・・・。
イザナギ
どうする、どうする。
イザナギ
何かいい方法・・・。
イザナギ
・・・。
黄泉醜女
黄泉醜女
へ?
イザナギ
あれ? また?
イザナギ
・・・。
黄泉醜女
黄泉醜女
ねえ・・。
イザナギ
・・・お腹すいてる?
イザナギ
・・・。
黄泉醜女
黄泉醜女
よし!
それならいいものがある。
イザナギ
・・・。
黄泉醜女
黄泉醜女
よし! 上手くいった。
イザナギ
今のうちに・・・。
イザナギ
よしっ!
イザナギ
・・・うまかった♥
黄泉醜女
黄泉醜女
はやっ!
もう食べちゃったのか。
イザナギ
彼女ら、腹すかしているんだよな・・・。
イザナギ
そうだ!
イザナギ
♥♥♥
黄泉醜女
黄泉醜女
タッケノコ♪
タッケノコ♪
黄泉醜女
黄泉醜女
楽しそうで何より。
イザナギ
今のうちに、ほいせっせ。
イザナギ
ん?
イザナミ
何やってんの、あんた達。
イザナミ
あっ イザナミ様。
黄泉醜女
おひとつ、どうですか?
黄泉醜女
炭で焼いたので絶品ですよ。
黄泉醜女
ありがと・・・。
イザナミ
うん、美味しいわね。
イザナミ
もう一つ、どうです?
黄泉醜女
もらうわ。
イザナミ
ん〜。
イザナミ
・・・。
黄泉醜女
黄泉醜女
おいしい!
イザナミ
・・・。
黄泉醜女
黄泉醜女
・・・。
イザナミ
・・。
イザナミ
って、違うでしょ!
イザナミ
お前たち!
イザナギを追うのよ!
イザナミ
ホイきた。
雷神さん
雷神さん
雷神さん
・・・。
イザナミ
雷神だけでは、心配だわ。
イザナミ
う〜ん。
イザナミ
・・・。
イザナミ
黄泉の神様に頼んでみるか。
イザナミ
あー もしもし。
黄泉の神様。
イザナミ
なに?
イザナミちゃん。
黄泉の神
じつは、
イザナミ
黄泉の軍勢、少しばかり借りたいのだけど。
イザナミ
仕方ないわねぇ。
黄泉の神
まあ、
イザナミちゃんの頼みだし。
黄泉の神
今回は特別よ?
黄泉の神
ありがと、黄泉の神様。
イザナミ
で、どれくらい欲しい?
黄泉の神
うーん。
イザナミ
1500くらいは欲しい。
イザナミ
いいわ。
すぐに送るわね。
黄泉の神
上手くやるのよ。
黄泉の神
あなた達。
すぐにイザナギを追って。
イザナミ
はっは。
イザナギ
ぷはー。
イザナギ
ここまでくれば大丈夫かな?
イザナギ
ん?
イザナギ
なんだ?
イザナギ
何あれ!
イザナギ
ひゃほーい!
雷神さん
雷神さん
雷神さん
やばっ
イザナギ
おわっとぉ!
イザナギ
ふふんっ!
雷神
・・・。
イザナギ
・・・。
雷神
よっし!
イザナギ
・・・。
イザナギ
・・・じゃなくて。
イザナギ
逃げなきゃダメでしょ。
イザナギ
ようやっと・・・。
イザナギ
桃?
イザナギ
うまそー。
イザナギ
って、
そんな場合じゃなかった。
イザナギ
うわっ・・。
イザナギ
あれ、
なんとかしないと・・・。
イザナギ
うーん、どないしよ。
イザナギ
ん?
イザナギ
?
イザナギ
あれ?
イザナギ
今、
この桃見て止まったよな。
イザナギ
・・・。
イザナギ
やっぱり!
イザナギ
よし! それなら。
イザナギ
桃すげー。
イザナギ
なあなあ、桃の木!
イザナギ
ありがとな!
ホント助かった。
イザナギ
なあ、桃の木。
イザナギ
一つ頼まれてくれないか?
イザナギ
今回な、俺を助けてくれたように。
イザナギ
地上の民がピンチの時、助けてやって欲しいんだ。
イザナギ
そうか、ありがとな。
イザナギ
そうだ。
お礼といっちゃ何だが・・・
イザナギ
お前に名前を贈ろう。
イザナギ
これからは、オオカムツミと名乗るといいよ。
イザナギ
おっとぉ。
イザナギ
それじゃあな。
イザナギ
イザナミ、来ちゃったし。
イザナギ
急がなきゃ。
イザナギ
・・・?
イザナミ
どうしたのかしら・・・。
イザナミ
いた!
イザナミ
何やっているのかしら。
イザナギ。
イザナミ
まあいいわ。
イザナミ
今のうちに、
距離を縮めるわよ!
イザナミ
あ・・気づかれた。
イザナミ
逃さないわよ。
イザナミ
あっ!
イザナミ
塞ごうとしてるじゃないの!
イザナミ
ずるーい!
イザナミ
ちょっと、イザナギー!
イザナミ
反則よー!
イザナミ
ふ〜 間にあったぁ。
イザナギ
・・・。
イザナギ
あーやっぱり、
ここの空気は美味しいなぁ。
イザナギ
ちょっと、イザナギー!
イザナミ
反則よー!
イザナミ
え〜。
イザナギ
え〜 じゃないわよ!
イザナミ
だって。
イザナギ
追いかけてくるイザナミ。
超怖いし。
イザナギ
聞いてるの?
イザナギー!
イザナミ
聞いてるよ、イザナミー。
イザナギ
あれ程、
見るなって言ったのに。
イザナミ
なんで、見たのよ!!
イザナミ
悪かったよ・・・。
イザナギ
イザナミ・・・。
なかなか戻ってこないから。
イザナギ
・・・。
イザナミ
体が思うように動かなくて。
イザナミ
時間がかかったのよ。
イザナミ
ああ・・・。
そうだったんだ。
イザナギ
そうだったんだ、
じゃないわよ、もう!
イザナミ
ごめん・・・。
イザナギ
・・・。
イザナミ
絶対に・・・。
イザナミ
絶対に許さないんだから!
イザナミ
・・・。
イザナギ
・・・決めた。
イザナミ
ん?
イザナギ
これから毎日。
イザナミ
毎日?
イザナギ
地上の人間の命をもらうことにするわ。
イザナミ
えっ!
イザナギ
1000人分。
イザナミ
1000人?!
イザナギ
ちょっと、イザナミ!
イザナギ
何よ。
イザナミ
1000人は多いでしょ!
イザナギ
多くないわよ。
イザナミ
多いって!
イザナギ
黄泉国は今・・・。
イザナミ
今?
イザナギ
人手不足なの!
イザナミ
は?
イザナギ
人手不足なの!
イザナミ
だからいくらでも働く人、募集中!
イザナミ
なにそれ。
イザナギ
とにかく。
イザナミ
毎日1000人、
黄泉国に来てもらうわ。
イザナミ
・・・。
イザナギ
だからイザナギは。
イザナミ
?
イザナギ
毎日1500人の人間を誕生させて。
イザナミ
へ?
イザナギ
そうすれば、
地上の民は絶えないわ。
イザナミ
まあ・・・
確かにそうだけど。
イザナギ
イザナギならできるでしょ?
イザナミ
・・・うん。
イザナギ
それじゃあ。
イザナミ
地上の人たちの事、頼んだわよ。
イザナミ
わかった。
イザナギ
ところでイザナミー。
イザナギ
なによ。
イザナミ
黄泉の神様から、通信機もらったでしょ?
イザナギ
ええ、もらったわ。
イザナミ
連絡先教えてよ。
イザナギ
これまでのイザナミの番号じゃ連絡取れないからさ。
イザナギ
そうね。
じゃあ今、送るから。
イザナミ
おう・・・。
イザナギ
あ、届いた。届いた。
イザナギ
イザナギの方は、
今までと一緒でいいわね?
イザナミ
うん。
イザナギ
じゃあ、私戻るから。
イザナミ
もう、
ここへは来ちゃだめよ?
イザナミ
え〜。
イザナギ
だ・め・よ!
イザナミ
・・・。
イザナギ
わかった、もう来ないよ。
イザナギ
そのかわり、
毎日連絡ちょうだいね?
イザナギ
仕方ないわね、もう。
イザナミ
参考資料
このページの作成に、次の資料を参考にさせていただきました。
えめ
ありがとうございます。
らる
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