目次
案内人の紹介
えめ
らる
菓子パンは、クリームパン派。
春夏秋冬、凍らせて食べます。
春夏秋冬、凍らせて食べます。
うか
上品なお姉さん。
その正体は、ウカノミタマ。
いな
陽気なお姉さん。
その正体は、お稲荷さん。
村人
しっかり者の村人さん。
名前は、スクナ。
村人
どこか抜けてる村人さん。
名前は、スサノ。
知立神社の紹介
知立神社とは
さて今回は、愛知県知立市の知立神社に参拝します。
えめ
知立神社は、とても歴史のある神社。
らる
景行天皇の時代に、創建されたと言われとるでな。
いな
けいこう天皇?
村人
村人
景行天皇は、12代天皇。
えめ
ヤマトタケルのお父さん。
らる
聞いたことあるだな。
ヤマトタケル。
村人
草薙剣とかいうので、なんかした人だべ。
村人
草薙の剣で、燃える草原から脱出したのよ。
うか
それじゃあ、知立神社の創建にまつわる話、見てみよか。
いな
九州のクマソ兄弟をやっつけて。
無事、西の平定を終わらせたヤマトタケル。
ただ今、戻りました。
ヤマトタケル
そうか。
景行天皇
では引き続き、東の国を平定してきなさい。
景行天皇
休む間もなく出発です。
ろくすっぽ兵士もつけてもらえず、今度は東の平定。
ヤマトタケル
父は私に死ねと言っているのでしょうか。
ヤマトタケル
・・・。
ヤマトヒメ
途中、伊勢神宮を訪れたヤマトタケル。
叔母のヤマトヒメに愚痴をこぼします。
この子、あの件から兄さんに避けられているのよね。
ヤマトヒメ
実はヤマトタケル。
西の平定前に、 兄のオオウスを黄泉送り。
最近オオウスの奴、顔を見せない。
景行天皇
お前が行って、心をこめて諭してきなさい。
景行天皇
おまかせを。
ヤマトタケル
心を込めて諭しに来たよ。
兄さん。
ヤマトタケル
ちょっ・・・
ちょっと待て。
オオウス
じゃあね、兄さん。
ヤマトタケル
うわああぁ。
オオウス
オオウスの奴、まだ顔を見せないが。
景行天皇
父さんの言う通り、心を込めて諭しましたよ。
ヤマトタケル
では、なぜ未だに顔を見せないのだ?
景行天皇
そりゃあ、黄泉国へ旅立ちましたから。
ヤマトタケル
は?
景行天皇
黄泉国へ旅立ちましたから。
ヤマトタケル
どういう事か説明しなさい。
景行天皇
明け方に、トイレに向かう兄さんをひっつかんで。
ヤマトタケル
手足をもいで捨てました。
ヤマトタケル
・・・。
景行天皇
・・・。
ヤマトタケル
こいつは・・・。
景行天皇
?
ヤマトタケル
危険な男だ。
景行天皇
できるだけ遠ざけよう。
景行天皇
この子に悪気はなかったのよね。
ヤマトヒメ
・・・。
ヤマトタケル
ここは、私が元気づけてあげなきゃ。
ヤマトヒメ
・・・。
ヤマトヒメ
よし。
とっておきの、あの品だわ。
ヤマトヒメ
ということで。
これを持っていきなさい。
ヤマトヒメ
おお。
ヤマトタケル
草薙の剣よ。
ヤマトヒメ
知ってますよ。
ヤマトタケル
それと、これもね。
ヤマトヒメ
これは?
ヤマトタケル
開けてからのお楽しみ。
ヤマトヒメ
さて、ヤマトタケル。
伊勢を出発して尾張国へ。
そこで出会ったミヤズヒメに一目惚れです。
妻に・・・。
ヤマトタケル
なんて思いますが。
いやいや。
それどころじゃないだろ!
ヤマトタケル
まずは、東の国の平定です。
無事に帰ることができたら、迎えに来るから。
ヤマトタケル
待ってますわ。
ミヤズヒメ
よっし!
ヤマトタケル
東へと向かう途中、三河国にて。
この国を守る神様方。
ヤマトタケル
私はこれから東の国の平定に向かいます。
ヤマトタケル
なにとぞ、お力添えをよろしくお願いします。
ヤマトタケル
相模国では、火攻めにあったり。
海を渡る時に大切な后を失ったり。
いろいろ大変だったけど。
ヤマトタケル
なんとか東も平定したぞ。
ヤマトタケル
都へと帰ることになりました。
神様方。
ヤマトタケル
おかげさまで、無事に戻ることができました。
ヤマトタケル
お礼に、社を建てて大切にお祀りいたします。
ヤマトタケル
こうして誕生したのが知立神社なのだとか。
えめ
地図で場所を確認してみましょう。
らる
知立神社地図
知立神社の御祭神は、
えめ
鸕鶿草葺不合尊
うがやふきあえずのみこと
アエズ
彦火火出見尊
ひこほほでみのみこと
ホヲリ
玉依比売命
たまよりびめのみこと
タマヨリヒメ
神日本磐余彦尊
かむやまと
いわれびこのみこと
イワレビコ
高天原から地上へやって来たニニギ。
えめ
それじゃあ、頼んだわよ。
アマテラス
任せてください。
ニニギ
そのニニギとサクヤヒメとの間に生まれたのが。
らる
ヒコホホデミノミコト。
ホヲリ
古事記ではホヲリと呼ばれているよ。
ホヲリ
ホヲリと私の間にできたのがアエズよ。
トヨタマヒメ
トヨタマヒメは海の神ワタツミの娘さん。
えめ
儂の大切な娘じゃぞ。
ワタツミ
そして、トヨタマヒメの妹がタマヨリヒメです。
らる
生まれたアエズのお世話をするために地上に来たの。
タマヨリヒメ
そんなタマヨリヒメにアエズが恋をして。
えめ
僕とタマヨリヒメとの間に生まれたのがイワレビコ。
アエズ
初代 神武天皇としてよく知られているよ。
イワレビコ
そんな御祭神が祀られる知立神社。
うか
江戸時代にはな、東海道の旅人さん達から、
いな
まむし除け!
旅人
旅人
まむし除けのご神徳でよく知られていたそうです。
らる
その頃は、今よりずっと草木が多かったやろうしなぁ。
いな
旅をするにも畑仕事をするにも。
旅人
まむしに噛まれる事が多かったな。
旅人
昔は、今より医療は整っていないから噛まれたら大変。
うか
黄泉国へようこそ。
黄泉国の神
ようこそ。
黄泉醜女
黄泉醜女
なんて事になりかねません。
えめ
それだけに、まむし除けの御神徳のある知立神社。
らる
厚く信仰されたわ。
タマヨリヒメ
だから、各地に知立神社から神様をお迎えして、お社が建てられたんだ。
アエズ
近代以降は、国家安寧・家内安全の神社として。
えめ
これまた多くの参拝者でにぎわい、今に至ります。
らる
そんな知立神社に。
ホヲリ
さっそく参拝ね。
トヨタマヒメ
知立神社参拝
ようこそ!
ホヲリ
アエズ
タマヨリヒメ
イワレビコ
鳥居をくぐりましょう
知立神社は、延喜式神名帳に記載された神社です。
えめ
延喜式神名帳とは、
927年にまとめられた、全国にある神社の一覧。
らる
日本全部の神社の名前が書かれてあるべか?
村人
違うで、兄さん。
いな
全国にある神社の中から、特に朝廷がお祀りすべき神社が記載されたのよ。
うか
古代の日本で、その役割が国から認められた神社が書かれてあったんやな。
いな
へえ。
村人
村人
じゃあ、知立神社も、
そのじ、神名帳? に書かれてあるってことは。
村人
国から認められた神社だったのね。
うか
おお。
村人
村人
でな、神名帳内の神社には、国から幣帛が贈られたんよ。
いな
へいはく?
村人
幣帛とは、お供え物ね。
うか
布、衣服、武具、神饌なんかがあるでな。
いな
「しんせん」ってなんだべ?
村人
食べ物のことやよ。
いな
お米に、お酒、海の幸、山の幸などがあるわ。
うか
一の鳥居です。
えめ
一礼して、くぐります。
らる
知っているだよ。
鳥居から内側は、神様のおうちなんだよな。
そうやでー。
いな
知人の家に遊びに行った時に、お邪魔しますと言うのと同じね。
うか
手水で手と口を清めます
鳥居をくぐるとすぐに、手水舎があります。
えめ
参拝する前に手と口を清めてしまいましょう。
らる
おめえ、
手水の使い方わかるだか?
うーん。
イマイチだな。
それなら、この機会に覚えてしまいましょう。
うか
ほな、確認な。
いな
① まず右手で柄杓を持って、
② 手水舎から水をくみます。
らる
③ そして、その水を左手にかけて清めたら、
えめ
④ 左手に柄杓を持ちかえて、
⑤ 右手に水をかけて清めます。
らる
⑥ もう一度、右手に柄杓を持ちかえて、
⑦ 左の手のひらに水をためて、その水を口に含みます。
えめ
⑧ 口に含んだ水は
「手水舎の外側」
に静かに吐き出しましょう。
らる
水盤の中じゃないよ?
ホヲリ
⑨ それから、左手に水をかけて清めます。
えめ
⑩ 最後に柄杓を傾けて。
らる
残った水を柄杓の持ち手にかけて洗ってね。
タマヨリヒメ
柄杓は元の場所へ。
イワレビコ
レッツ チャレンジ。
アエズ
タマヨリヒメ
トヨタマヒメ
ホヲリ
参拝しましょう
それでは神様にご挨拶。
えめ
らる
よっし、参拝だな!
だな。
って、ちょっと待て待て。
ん?
参道の真ん中歩いちゃダメだべ。
なしてだ?
真ん中は神様がお通りになるって言われているだよ。
へ?
だから、オラ達は真ん中は歩かないようにするだ。
お、おう。
参道の真ん中は神様の通り道だと言われています。
えめ
なるべく真ん中を歩かないようにしましょう。
らる
参道の真ん中は、神様がお通りになるだか。
村人
なら、ご挨拶する時も真ん中には立たないほうがいいべ?
村人
いや兄さん。
拝礼の時には、いいんやで。
いな
真ん中に立って、神様に色々お話するといいわ。
うか
わかっただ。
村人
狛犬さんです。
えめ
こちらは口を開いた阿形の狛犬さん。
らる
そういや、おら、前に聞いたことがあるだよ。
村人
何を。
村人
大昔のインドでな、仏様の両脇に獅子像を置いたんだと。
村人
なんで?
村人
仏様を守るためさ。
村人
その獅子像が狛犬様の起源なんだと。
村人
狛犬の起源は、古代オリエントだとも言われているわよ。
うか
古代オリエント諸国では、ライオンが神や王の守護獣やったんやと。
いな
エジプトピラミッドのスフィンクスが有名ね。
うか
それが、はるばる日本にまでやってきたんやな。
いな
こちらは口を閉じた吽形の狛犬さん。
うか
角ありやでー。
いな
昭和に入ってから作られた狛犬さんには、角なしが多いそうですが。
えめ
知立神社の狛犬さんには角があります。
らる
参拝する時、見るといいで。
いな
それでは、拝礼です。
えめ
拝礼の基本は、2拝2拍手1拝。
らる
手順を確認するだよ。
村人
だな。
村人
① まずは背筋をピンと伸ばして、
アエズ
② 90度に腰を折って頭を下げます。
らる
③ 背筋を伸ばしてから、
もう一度頭を下げてね。
タマヨリヒメ
ここまでが、「2拝」だよ。
イワレビコ
④ それから、両手を胸の高さに持ってきて、
ホヲリ
⑤「パン、パン」と2回打ち鳴らしてね。
(2拍手)
トヨタマヒメ
⑥ 両手を合わせたまま、いろいろお話してな。
スクナヒコナ
願掛けも、この時にね。
アマテラス
⑦ お話が終わったら、
腰を折って頭を下げます。
(1拝)
らる
以上が拝礼の手順だよ。
アエズ
何だかよく分かんねえだな。
村人
だな。
村人
そんなときには、伊勢神宮さんのサイトへ。
えめ
この機会に拝礼の手順を覚えてしまいましょう。
らる
よし。
手順がわかったでさっそく拝礼だよ。
村人
まずは2回、お辞儀して。
村人
手を打ったら、そのまま神様にお話するだな。
村人
神様、初めて参拝するだ。
村人
よく来たな。
アエズ
・・・。
村人
?
タマヨリヒメ
神様なら、何でもお見通しだよな?
村人
は?
イワレビコ
そうだよ。
おら、今困っているだよ。
村人
何を?
ホヲリ
だから神様、力を貸してほしいだ。
村人
待て待て。
アエズ
何に対して力を貸してほしいの?
タマヨリヒメ
よろしくお願いするだよ。
村人
おーい。
アエズ
タマヨリヒメ
ホヲリ
イワレビコ
これでは、神様も困ってしまうでしょう。
えめ
らる
お願いごとがあるときには、なるべく細かくお話すると助かるよ。
アエズ
おめえ、省略し過ぎだぞ。
村人
・・・。
村人
神様にお願いするなら、もっと細かく話すのが礼儀だで。
村人
だよな。
村人
じゃあ、やり直し。
村人
よし。
村人
神様、初めて参拝します。
村人
うん、いらっしゃい。
アエズ
おらの名前はスサノだよ。
村人
スサノね。
タマヨリヒメ
愛知県知立市の西町2丁目えめらるハイツ303号室に住んでるだ。
村人
ほう。
近くに住んでいるんだな。
ホヲリ
今日は、ちょこっと神様にお願いがあって来ただよ。
村人
何でも言ってみてよ。
イワレビコ
実はおら、自分でサイトを作っていてな、
村人
自分が面白いって感じたもの、記事にしているだよ。
村人
それはいいことだな。
アエズ
だけど、おら、まだまだ知識が足りなくてなぁ。
村人
あらあら。
タマヨリヒメ
サイトを作る時、HTMLとかCSSとかJavaScriptとか知っていると有利なんだども。
村人
そうだな。
ホヲリ
これがまた、難しくてなぁ。
村人
さっぱりこだよ。
村人
さっぱりか。
アエズ
そこで、お願いするだ。
村人
何でも言ってみて。
タマヨリヒメ
おら、学校は苦手だし。
村人
一人で勉強したいだよ。
村人
ほう。
ホヲリ
だから、良い教材が見つかるよう力を貸してくれないだか?
村人
よし。
さっそく探してみるかな。
イワレビコ
よろしくお願いするだよ。
村人
まかせなさい。
アエズ
タマヨリヒメ
ホヲリ
イワレビコ
こんな感じに、きちんとお話すると。
えめ
願い事も叶いやすくなるかもしれません。
らる
続いて摂社にも参拝。
えめ
拝殿のすぐお隣です。
らる
摂社も参拝です
親母神社です。
えめ
御祭神は豊玉姫命。
らる
よろしくね。
トヨタマヒメ
トヨタマヒメは、綿津見神の娘さん。
えめ
ワタツミは海の神様です。
らる
海の宮殿にある日、ホヲリがやって来たのよ。
トヨタマヒメ
炎に包まれた産屋の前にて。
サクヤー!
ニニギ
この子は、あなたの子よ。
サクヤヒメ
だから、この炎の中でも無事に誕生するわ。
サクヤヒメ
ということで。
炎の産屋で、無事に生まれた3人兄弟。
長男のホデリは。
今日も大漁だぜ!
ホデリ
海でお魚さんをバンバン釣るように。
名付けて海幸彦。
三男のホヲリは。
山の神に感謝だよ。
ホヲリ
山にて、いろんな獣を狩るように。
だから、山幸彦。
毎日たくさんの獲物をゲットです。
そんなある日のこと。
たまには、釣りもしてみたいよなぁ。
ホヲリ
そんなことを思ったホヲリ。
兄さんの竿、借りよっと。
ホヲリ
そうすることにしました。
兄さん、釣り竿貸してよ。
ホヲリ
ダメダメ。
ホデリ
大切な釣り道具だからな。
ホデリ
特にこの釣り針は特別製なんだぞ。
ホデリ
そうなの?
ホヲリ
そうさ。
ホデリ
こいつのおかげでオレはいつでも魚をたくさん釣ることができる。
ホデリ
そんなことを聞いたホオリ。
ますます釣りがしたくなりました。
貸してよ。兄さん。
ホヲリ
ダーメ。
ホデリ
2度目の交渉も失敗。
兄さん、オレも釣りがしたいなぁ。
ホヲリ
なら自分で釣り道具を用意すればよかろう。
ホデリ
・・・確かにそうだけど。
ホヲリ
兄さんの釣り道具、使ってみたいんだよなぁ。
ホヲリ
3度目の交渉も失敗。
そして。
ねえ、兄さん・・・。
ホヲリ
こいつは、全く。
ホデリ
根負けしたホデリ。
仕方なく釣り道具を貸すことにしました。
もう。
大切に扱えよ?
ホデリ
わかってるって。
ホヲリ
兄さんは、これ使って山で猟を楽しんできてよ。
ホヲリ
おう。
ホデリ
さてホヲリ。
お魚いっぱい釣りましょう♪
ホヲリ
張り切って、海原へ。
ところが。
釣れないなぁ。
ホヲリ
なかなか魚が釣れません。
エサが悪いのかなぁ。
ホヲリ
それとも、場所か?
ホヲリ
いろいろ歩き回って。
良さげな釣り場を見つけたホヲリ。
よいせっと。
ホヲリ
腰を下ろして、のんびり待っていると。
お!
ホヲリ
引きがありました。
よっしゃ!
ホヲリ
せーのっ!
ホヲリ
えっ!?
ホヲリ
ホヲリ
やば・・・。
ホヲリ
釣り針、持ってかれたぁ!
ホヲリ
・・・。
ホヲリ
どうしよう。
ホヲリ
困ったことになりました。
数日後。
そろそろ釣り道具返してよ。
ホデリ
うっ・・・。
ホヲリ
ついに、言われてしまいました。
やっぱり山の道具は、山幸彦が使ってこそだしな。
ホデリ
そ、そうかな?
ホヲリ
そして海の道具は、海幸彦のオレが使ってこそだ。
ホデリ
だから早く返してよ。
ニコニコと兄に催促されたホヲリ。
実は・・・。
ホヲリ
あの釣り針。
お魚さんに、取られちゃった。
な・・・。
ホデリ
なんて事を。
ホデリ
ごめん。兄さん。
ホヲリ
・・・。
ホデリ
あの釣り針、絶対返して。
全力で言われてしまいました。
さて、ホヲリ。
やっぱり見つかんねぇ。
ホヲリ
海に戻って探してみますが。
やはり見つかりません。
魚に取られたんだし。
ホヲリ
今頃、海の中だよなぁ。
釣り針。
ホヲリ
・・・。
ホヲリ
腰に帯びた剣を見つめるホヲリ。
・・・。
ホヲリ
これで釣り針、こさえてみるか。
ホヲリ
ということで。
作ったぜ!
500本の釣り針。
ホヲリ
もとの釣り針返して。
ホデリ
・・・。
ホヲリ
ダメでした。
よし。それなら。
ホヲリ
1000本なら、どうだ!
ホヲリ
だから、
もとの釣り針返して。
ホデリ
・・・。
ホヲリ
やっぱりダメでした。
途方に暮れたホヲリ。
海辺でぼんやりと、遠くを眺めます。
はぁ、どうしよう。
ホヲリ
元気がないようじゃの?
お爺さん
え?
ホヲリ
白ひげのおじいさん。
事情を話してみなされ。
お爺さん
何か役に立てるかもしれんでな。
お爺さん
実は・・・。
ホヲリ
かくかくしかじか。
たくさんの釣り針を用意したのですが・・・。
ホヲリ
元の釣り針を返せと。
ホヲリ
なるほど。
そうじゃったか。
お爺さん
それなら。
お爺さん
そなたのために、一工夫してみようかの。
お爺さん
そう言って、小舟を用意すると。
これに乗りなされ。
お爺さん
この舟に?
ホヲリ
そうじゃ。
お爺さん
そしたらワシが押し出すでな、そのまま進むがよい。
お爺さん
やがて、潮の流れに乗るからの。
お爺さん
潮の流れですか。
ホヲリ
そのうち、海の神ワタツミの宮殿に到着する。
お爺さん
宮殿の横っちょに、桂の木が生えておるでの。
お爺さん
その木に登って待っていなさい。
お爺さん
わかりました。
ホヲリ
ところでお爺さんの名前は?
ホヲリ
ワシはシオツチじゃ。
シオツチ
シオツチ・・・。
ホヲリ
そなたは、サクヤヒメの息子じゃろ?
シオツチ
どうしてそれを。
ホヲリ
知っとるさ。
シオツチ
そなたは有名じゃからの。
シオツチ
さて、ホヲリ。
ここが・・・。
ホヲリ
ワタツミの宮殿に到着しました。
門の横には桂の木。
これに登って待てばいいんだな。
ホヲリ
井戸に近い、桂の木に登ります。
そうしてしばらく待っていると。
そしたらな、
あのお魚さん・・・。
侍女
へえ。
侍女
侍女がやって来ました。
いつものように井戸の水を汲もうとして、
きゃー!
侍女
ど、どうしたの。
侍女
井戸の水に映ったホヲリを見て、大騒ぎ。
へ、変態!
侍女
侍女
ちがうって!
ホヲリ
慌ててホヲリ、言い訳します。
兄の釣り針を探して、ここまで来たのです。
ホヲリ
ワタツミの娘さんに取り次いでください。
ホヲリ
なんや。
そうやったんや。
侍女
それならそうと早く言えばいいのに。
侍女
ねぇ。
侍女
侍女
・・・。
ホヲリ
ちょっと待っててやー。
侍女
ヒメにお知らせしますから。
侍女
しばらくして。
トヨタマヒメが、やって来ました。
あの方ですわ。ヒメ。
侍女
なっ。
結構イケメンやろ?
侍女
まあ・・・。
トヨタマヒメ
・・・。
ホヲリ
なんて素敵な方でしょう。
トヨタマヒメ
さっそく、父であるワタツミに連絡です。
これはこれは。
ワタツミ
報告を受けてやって来たワタツミ。
ホヲリを見て驚き顔です。
ニニギ様の息子さんではありませんか。
ワタツミ
父をご存じでしたか。
ホヲリ
もちろん。
ワタツミ
親父、すげえな。
ホヲリ
こんなところでは、ゆっくり話もできません。
ワタツミ
どうぞ、屋敷の中にお入りください。
ワタツミ
ありがとうございます。
ホヲリ
屋敷の中に招き入れられたホヲリ。
そのまま、トヨタマヒメとの婚儀へ。
3年後。
しまったー!
釣り針のこと忘れてたぁ。
ホヲリ
ホヲリ。
ようやっと本来の目的を思い出しました。
やべ。
もう3年も経ってるじゃん。
ホヲリ
驚いて駆けつけたトヨタマヒメ。
ホヲリ、どうしたの!
トヨタマヒメ
・・・。
ホヲリ
・・・。
トヨタマヒメ
ただちに父親に報告です。
お父様、ホヲリが!
トヨタマヒメ
そりゃいかんな。
ワタツミ
すぐにホヲリを呼びなさい。
ワタツミ
すっかり、しょげかえったホヲリ。
・・・。
ホヲリ
今まで幸せそうに暮らしていたのに。
ワタツミ
どうされたのです?
ワタツミ
実は・・・。
ホヲリ
ここへ来た本来の目的を話します。
なるほど。
釣り針を探すためでしたか。
ワタツミ
ここに魚たちを集めよ。
ワタツミ
さっそく、お魚さんから情報収集です。
釣り針の事で、何か知っている者はいないか?
ワタツミ
そういえば・・・。
さかな
鯛のやつ、喉に何か刺さったと泣いておりました。
さかな
よし、その鯛を連れてきなさい。
ワタツミ
さっそく呼び出された鯛。
ろくに食べていないのでフラフラです。
はい。
口を大きく開けてー。
ワタツミ
ぱかっと口を開ける鯛。
調べてみると、ありました。
ホヲリが3年前になくした釣り針です。
よかったぁ。
ホヲリ
ホヲリ、ほっと一安心です。
釣り針を捕ってもらった鯛も嬉しそう。
ワタツミ様、ありがとうございます。
ホヲリ
なんの。
大切な婿殿のためじゃ。
ワタツミ
洗った釣り針をホヲリに渡しながら、
これを兄上に返すとき。
ワタツミ
淤煩釣(おぼち)
湏々釣(すすち)
貧釣(まぢち)
宇流釣(うるち)
ワタツミ
と言いながら返しなさい。
ワタツミ
おぼち
すすち
まぢち
うるち?
ホヲリ
ぼんやり釣り針
よろよろ釣り針
貧乏釣り針
おろか釣り針
ワタツミ
という意味じゃよ。
ワタツミ
力ある釣り針を無力化する働きがある。
ワタツミ
へえ。
ホヲリ
ポイントは、後ろ手で返すことじゃ。
ワタツミ
後ろ手?
ホヲリ
そうすることで、無効化の効力が増すでな。
ワタツミ
なんと。
ホヲリ
それからな。
ワタツミ
兄上が高いところに田を作れば、そなたは低いところに田を作りなさい。
ワタツミ
へ?
ホヲリ
そして兄上が低いところに田を作れば、高いところに田を作りなさい。
ワタツミ
どうしてです?
ホヲリ
わけがわかりません。
ワシは、水を司る神じゃて。
ワタツミ
3年間、そなたの兄上を困らせてやろうじゃないか。
ワタツミ
どうやら、田んぼの水を操って。
作物を実らせないつもりのようです。
そうそう。
ワタツミ
袖から2つの玉を取り出すと。
塩盈珠と塩乾珠じゃ。
ワタツミ
しおみつ、しおふる・・・。
ホヲリ
兄上が怒って攻めてきたら、塩盈珠で溺れさせるとよい。
ワタツミ
兄上が謝ったら、塩乾珠で助けてあげなさい。
ワタツミ
そんな力が・・・。
ホヲリ
さすが海の神様。
水の不思議アイテムが揃っています。
うまくやるのじゃよ?
ワタツミ
はい。
ホヲリ
さて、地上へと帰ってきたホヲリ。
ホデリに釣り針を返します。
おぼち、すすち、まぢち、うるち・・・。
ホヲリ
帰ってきたよ、俺の釣り針 ♪
ホデリ
・・・。
ホデリ
あれ?
ホデリ
力を封じられた釣り針。
ホデリ、全く魚を釣ることができません。
なんでだ・・・?
ホデリ
田んぼで稲を育てても。
育たん・・・。
ホデリ
ちなみにホヲリの田んぼ。
稲が元気に育って青々としています。
・・・。
ホデリ
そう言えば、あいつ。
釣り針を返すとき・・・。
ホデリ
変なこと、言っとったな。
ホデリ
おまけに後ろ手に釣り針を渡していました。
ジョークをかましているかと思っていたが。
ホデリ
あれは呪いの一種だったか。
ホデリ
そのとおり。
あのヤロ・・・。
ホデリ
頭にきたホデリ。
おい! ホヲリ。
ホデリ
ホヲリを懲らしめようと、やってきますが。
ぶふぁっ
ホデリ
突如襲ってきた大量の水。
な、なんだ。こりゃあ。
ホデリ
兄さーん。
ホヲリ
お、お前の仕業か!
ホデリ
そうさ。
ホヲリ
これね、ワタツミの力なんだよ。
ホヲリ
それがなんだ!
ホデリ
諦めて、降参してよ。
ホヲリ
だれが!
ホデリ
しかし。
水にぐるぐる流されまくりのホデリ。
ついに、精根尽き果ててしまいました。
分かった。降参だ。
ホデリ
それを聞いたホヲリ。
すぐさま塩乾珠を取り出します。
すると、あっという間に水が引き。
すると、あっという間に水が引き。
はあ、はあ。
ホデリ
息も絶え絶えのホデリだけが残されました。
そんなホデリのもとへとやって来たホヲリ。
ごめん・・・兄さん。
やりすぎた。
ホヲリ
まったくもう!
ホデリ
・・・。
ホヲリ
で、田んぼと釣り針はもとに戻るんだろうな。
ホデリ
うん。大丈夫。
ホヲリ
ホントに・・・。
とんだ災難だよ。
ホデリ
さて、ホヲリ。
あれからホデリと仲直り。
でね、桂の木に登って待っていたらさ・・・。
ホヲリ
へぇ。
ホデリ
縁側でホデリとお茶を飲んでいると。
海からトヨタマヒメが訪ねてきました。
トヨタマヒメ!
ホヲリ
驚いたホヲリ。
トヨタマヒメのもとへと駆け寄ります。
久しぶりね、ホヲリ。
トヨタマヒメ
会いたかったー。
ホヲリ
私もよ。
トヨタマヒメ
連絡取れないから、どうしようかと思っていたんだ。
ホヲリ
そうだと思ったわ。
トヨタマヒメ
来てくれて、ありがとう。
ホヲリ
うん。
トヨタマヒメ
ねえ、ホヲリ。
トヨタマヒメ
ん?
ホヲリ
私のお腹の中にね、あなたの子供がいるの。
トヨタマヒメ
え?!
ホヲリ
で、もうすぐ出産よ。
トヨタマヒメ
なんと!
ホヲリ
天つ神の御子は、地上で産むほうがいいでしょ?
トヨタマヒメ
それで、ここに来たのよ。
トヨタマヒメ
よっしゃ!
ホヲリ
それじゃあ、産屋を用意しなきゃな。
ホヲリ
さっそく準備に取り掛かりました。
産屋の場所は海辺です。
海の近くが安心するわ。
トヨタマヒメ
大急ぎで産屋を作っておりましたが。
あっ。
トヨタマヒメ
完成前にお産のときがやって来ました。
ねえ、ホヲリ。
トヨタマヒメ
なに?
ホヲリ
これから、この産屋で出産するんだけど。
トヨタマヒメ
うん。
ホヲリ
その姿を見ないでほしいの。
トヨタマヒメ
え? どうして。
ホヲリ
私は、子を生むときに本来の姿に戻るから。
トヨタマヒメ
本来の姿・・・。
ホヲリ
そう。
だからお願いね、ホヲリ。
トヨタマヒメ
決して見ないと約束して。
トヨタマヒメ
分かった。見ないよ。
約束する。
ホヲリ
さて、ホヲリ。
見ないと約束をしましたが。
・・・気になる。
ホヲリ
気になって仕方がありません。
でも、約束したし。
ホヲリ
見てはいけないでしょう。
・・・。
ホヲリ
だけど、やっぱり・・・。
ホヲリ
見たい。
結局、好奇心に負けたホヲリ。
出産中の産屋に近づくと、
ちょっとだけ・・・。
ホヲリ
そっと中を覗いてしまいました。
中にいたのは、八尋もある大きなサメ。
苦しそうに身をよじっています。
うわあ!
ホヲリ
驚いたホヲリ、腰を抜かして尻餅をつくと。
あたふたと逃げ出してしまいました。
産屋の外から、ホヲリの叫び声。
!
トヨタマヒメ
・・・ホヲリ。
トヨタマヒメ
見ないでって言ったのに。
トヨタマヒメ
お約束な展開。
トヨタマヒメ、がっかりです。
そんな言葉を残して。
海へと帰ってしまいました。
ところで生まれた赤ちゃんの名前。
天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命。
名前、ながっ!
ホデリ
え?
ホヲリ
名前長すぎ。
ホデリ
そうかな。
ホヲリ
名前呼ぶたびに、舌みそう。
ホデリ
・・・。
ホヲリ
アエズって呼ぶから大丈夫。
ホヲリ
さて、海へと帰ったトヨタマヒメ。
ホヲリを好きなことに変わりはありません。
生まれた赤ちゃんのことも心配です。
大丈夫かしら。
トヨタマヒメ
そこで。
妹のタマヨリビメを寄越すことにしました。
この子の世話をします。
タマヨリヒメ
一方、ホヲリ。
あの時には驚いたけど。
ホヲリ
やっぱり、
トヨタマヒメが好き。
ホヲリ
ということで。
私にとって、ホヲリは真珠の玉のように輝いて見えます。
トヨタマヒメ
たとえ世が移り変わっても。
ホヲリ
オレの心の中は、トヨタマヒメのことでいっぱいさ。
ホヲリ
そんなメールのやりとりは続いたのでした。
ところで、ニニギの子であるホヲリ。
えめ
父親ニニギがやらかした過ちのせいで、
らる
ふつつかものですが・・・。
イワナガヒメ
ごめんね。
君は帰っていいよ。
ニニギ
えっ!
イワナガヒメ
儚い命になる事を予言されていたのですが。
えめ
・・・なのに、
あなたはイワナガヒメを送り返してしまった。
オオヤマツミ
残念なことですが、
天津神の子孫の命は、
花のようにもろく儚いものとなるでしょう。
オオヤマツミ
なんと、580歳まで生きたのだそうです。
らる
さて、アエズ。
えめ
私が大切に育てたわ。
タマヨリヒメ
小さい頃からタマヨリヒメと一緒だったからか。
らる
いつの間にやら、タマヨリヒメに恋心。
えめ
オレの妻になってよ。
アエズ
えっ。
タマヨリヒメ
年の差なんて何のその。
らる
はれてタマヨリヒメと結ばれたのでした。
えめ
4人の子供を授かったわ。
アエズ
タマヨリヒメ
その中の末っ子が、
らる
兄さん、どこでならこの国をよく治められると思う?
イワレビコ
東かな。
イツセ
それじゃあ、さっそく出発だ!
イワレビコ
東征を行い、荒ぶる神や多くの豪族たちを従わせて。
えめ
畝火の白檮原宮にて天下を治めました。
らる
後に神武天皇と呼ばることになるよ。
イワレビコ
神武の東征の話は、ここ見てな。
いな
合祀殿には十柱の神様が祀られています。
えめ
代表は天照大御神。
らる
よろしくね。
アマテラス
天照大御神は、
皇祖神にして、
日本国民の総氏神。
えめ
こうそしん?
村人
なんだべ?
こうそしんって。
村人
皇祖神とは、皇室の祖とされる神のこと。
らる
天皇家のご先祖様ってことよ。
アマテラス
じゃあ、
うじがみってなんだべ?
村人
氏神とは、同じ地域に住む人々が共同で祀る神のこと。
えめ
その地域に住む皆さんを守ります。
らる
ああ、オラ達が住んでる所の神社の神様のことか。
村人
みんなで大切にお祀りしてるでな。
村人
氏神はもともと、
「共通の祖先を持つ一族を守る神様」やったんやけど。
いな
「氏神の周辺に住む人たちを守る神様」へと変わっていったのよ。
うか
一族の神様から、周辺に住むみんなの神様になったべか。
村人
そうやよ。
いな
天照大御神は、
日本国民の総氏神なので。
えめ
日本に住んでるみんなで、お祀りする神様なんだべな。
村人
日本に住んでる全員を守ってくださるだな。
村人
日本という島国全体の人々の暮らしを守っているわ。
アマテラス
ところでアマテラス様。
村人
なあに?
アマテラス
アマテラス様はいつもどこにいるだべ?
村人
やっぱり伊勢神宮だべか?
村人
高天原よ。
アマテラス
へ?
村人
村人
高天原で、日本という国の魂を守っているわ。
アマテラス
へぇ
村人
日本の魂。
村人
日本の魂?!
村人
村人
そうよ。
アマテラス
そんなのがあったべか。
村人
村人
高天原にいる神々は、日本の魂を守っているのよ。
アマテラス
神々?
村人
アマテラス様の他にも神様がいるだべか?
高天原に。
村人
もちろんよ。
アマテラス
誰だべ? 誰だべ?
村人
村人
イザナギや、イザナミ。
アマテラス
スサノオもいるわ。
アマテラス
おお!
村人
村人
驚いたろ?
アマテラス
驚いただよ。なあ?
村人
んだ。
村人
そんなお前達に、伝えたい事があるの。
アマテラス
伝えたい事?
村人
なんだべ?
村人
「誇りを持て」ということよ。
アマテラス
ホコリ?
村人
お前の家に溜まってるホコリの事じゃないぞ?
村人
違うだか?
村人
違うだよ!
村人
私はの。
アマテラス
この国の民を、この国を作ったときから育ててきた。
アマテラス
そのような自分たちの祖先を国民性を。
アマテラス
神に大事に育てられてきた民族であることを。
アマテラス
もっと誇りに思いなさい。
アマテラス
そうだっただか。
村人
わかっただよ。
アマテラス様。
村人
うむ。
そなたたちは素直じゃな。
アマテラス
スサノオとは大違いじゃ。
アマテラス
姉ちゃん、それはないだろ。
スサノオ
今じゃあ、俺だって立派に神様やっとるぞ。
スサノオ
ホントかの。
アマテラス
厳しいなぁ、もう。
スサノオ
この国の民族の未来は明るいわ。
アマテラス
もっと希望と誇りを持つのだ。
スサノオ
そして、
気高く、強く生きよ。
アマテラス
スサノオ
わかっただ。
村人
ありがとな、アマテラス様。
・・・にスサノオ様。
村人
おいおい。
俺はついでか?
スサノオ
小山天神社には少名毘古那命。
えめ
オオクニヌシの国作りを手伝った神様です。
らる
うっす!
スクナヒコナ
スクナヒコナとオオクニヌシの出会いを見てみましょう。
えめ
らる
その太刀と弓で、兄弟どもを追い払え。
スサノオ
これから、お前の名はオオクニヌシだ。
スサノオ
スセリを正妻にして大事にしろよ!
スサノオ
出雲に立派な宮殿を建てて暮らすがいい。
スサノオ
達者でな。この野郎!
スサノオ
はは・・・。
オオクニヌシ
スサノオの試練をクリアしたオオクニヌシ。
スサノオの娘 スセリヒメをゲットして。
よし! 始めるか。
オオクニヌシ
がんばって。
スセリヒメ
出雲にて国作りを開始です。
そんなある日のこと。
オオクニヌシが出雲の海岸を歩いていると。
何だあれ。
オオクニヌシ
小人さんです。
小人さんが、えっちら おっちら。
海の向こうからやってきました。
こんにちは。
俺はオオクニヌシ。
オオクニヌシ
・・・。
スクナヒコナ
君の名は?
オオクニヌシ
・・・。
スクナヒコナ
・・・。
オオクニヌシ
あれ?
ひょっとして話せない?
オオクニヌシ
・・・。
スクナヒコナ
家来の皆さんに聞いてみますが。
何者でしょうな。
家来さん
誰も小人さんのことを知りません。
うーん、困ったな。
オオクニヌシ
そこへやってきたヒキガエル。
クエビコか。
オオクニヌシ
とういうことで。
さっそく、クエビコのもとへ。
カムムスビ様の子供だったんだ。
オオクニヌシ
カムムスビ様は、命の恩人だからなぁ。
オオクニヌシ
兄達に黄泉送りにされたオオクニヌシ。
カムムスビに命を救われています。
それじゃあ、
一緒に行こうか。
オオクニヌシ
・・・。
スクナヒコナ
ちょっとした恩返し。
小人さんを連れてカムムスビの宮殿へ。
元気そうね、オオナムチ。
カムムスビ
今は、オオクニヌシと名乗っていますよ。
オオクニヌシ
そうだったわね。
カムムスビ
ところでその子。
カムムスビ
・・・。
スクナヒコナ
確かに私の子よ。
カムムスビ
よかった。
オオクニヌシ
小さすぎて、私の指の間から落ちちゃったのね。
カムムスビ
スクナヒコナ。
カムムスビ
はいな。
スクナヒコナ
話せるじゃん。
オオクニヌシ
あなた、オオクニヌシを手伝いなさい。
カムムスビ
まかせてよ。
スクナヒコナ
ってことで。
よろしくな、アニキ。
スクナヒコナ
お・・・おう。
オオクニヌシ
ということで。
オオクニヌシとともに国作り。
村で病気が流行ってるだ。
村人
よし!
オオクニヌシ
スクナヒコナ
人々の病気を治療したり。
オラの牛さ、
近ごろ元気がないべ。
村人
まかせとけ。
オオクニヌシ
スクナヒコナ
家畜の健康を維持したり。
畑が荒らされるの。
村人
なんとかしてくれやー。
村人
うぃっす!
オオクニヌシ
スクナヒコナ
鳥や獣に昆虫。
それらに畑を荒らされないように。
マニュアル完成!
オオクニヌシ
スクナヒコナ
呪いの方法を定めたり。
力を合わせて国作り。
国作りをしていたのですが・・・。
はあ?!
オオクニヌシ
スクナヒコナ。
ふらりと常世国に旅立ってしまいました。
・・・。
オオクニヌシ
オオクニヌシ、大ショック。
オレ一人でどうやって、国作り進めてけばいいのさ。
オオクニヌシ
そこへやってきたのがオオモノヌシです。
お困りのようだね。
オオモノヌシ
はあ。
オオクニヌシ
手伝おうか?
オオモノヌシ
え?
オオクニヌシ
私を祀ってくれるのなら。
オオモノヌシ
国作り、手伝うよ?
オオモノヌシ
ぜひ。
オオクニヌシ
思わぬ助っ人が現れて。
オオクニヌシ、無事に国作り完成です。
そんな感じで風来坊のスクナヒコナ。
えめ
医薬の神様として知られています。
らる
酒造りの神でもあるし。
スクナヒコナ
温泉の神でもあるんだよな。スクナヒコナは。
オオクニヌシ
そうそう。
スクナヒコナ
ある日。
オオクニヌシとスクナヒコナ。
出雲から伊予国へ。
おいおい、大丈夫か?
オオクニヌシ
ふへえ。
スクナヒコナ
長旅の疲れからか。
スクナヒコナ、ダウン。
アニキィ〜。
スクナヒコナ
俺、もうダメかも・・・。
スクナヒコナ
大げさだなぁ。
オオクニヌシ
とは言っても、心配なオオクニヌシ。
よし。
オオクニヌシ
なんと。
豊後国から伊予国まで管を通して。
温泉の湯を持ってきます。
どうだ、スクナヒコナ。
オオクニヌシ
はあぁぁ。
スクナヒコナ
温まったか?
オオクニヌシ
ありがとな。
アニキィ。
スクナヒコナ
たちまちのうちに元気になったスクナヒコナ。
石の上で踊りだしたのだそうな。
あれ?
オオクニヌシ
どうしたのアニキ。
スクナヒコナ
それだと俺が温泉の神様ってことにならないか?
オオクニヌシ
なんで?
スクナヒコナ
だって。
温泉作ったの俺だし。
オオクニヌシ
ホントだな。
スクナヒコナ
・・・。
オオクニヌシ
細かいこと気にするな。
アニキ。
スクナヒコナ
社務所に寄ってみます
社務所にも寄ってみましょう。
えめ
らる
行ってみるだ。
お守り欲しいだよ。
絵馬に願い事、書くだ!
そんなときには社務所へレツゴー。
えめ
らる
祈祷の受付もしているわ。
トヨタマヒメ
受付は、午前9時から午後4時の間だよ。
ホヲリ
神事があって祈祷できない事もあるから、前もって電話で確認してね。
☎ 0566-81-0055
タマヨリヒメ
おい。
祈祷お願いするだか。
お願いするだか。
おみくじ引いただよ。
おら、大吉だっただ。
おみくじの「大吉」や「小吉」などの吉凶。
えめ
らる
引いたときの運気を表している場合があるわよ。
アマテラス
運気?
「運がいい」とか「ついてない」とかのことね。
うか
神様のアドバイスは無しな。
いな
「今の気温は29度です」とか教えてくれる温度計のようなものよ。
アマテラス
へー。
大吉は?
現在の運が絶好調!
アマテラス
凶は?
これから低迷期に入るサインよ。
アマテラス
または、低迷期の真っ最中。
スクナヒコナ
末吉や小吉などは、
低迷期から脱出し始めているサインだよ。
イワレビコ
もちろん、アドバイスやメッセージのこともあるわよ。
アマテラス
例えば大吉は、
歓迎、応援のメッセージ。
スクナヒコナ
大吉、ひゃっほー。
なんて大喜びする人を歓迎するわ。
トヨタマヒメ
大吉は、応援のメッセージだったりもするでな。
いな
神様。
おら、困っているだよ。
なんて相談を受けても。
タマヨリヒメ
神が手出しをしてはいけないケースがあるんだ。
イワレビコ
そんなときに引いた大吉は。
えめ
らる
負けるなよ。
ホヲリ
神は、お前を応援しているぞ。
アエズ
という、
私達からのメッセージよ。
アマテラス
のんびりしましょう
参拝が終わったら。
えめ
よっしゃ、帰るべ。
ではなくて。
らる
せっかく来たんだから、
のんびりするだよ。
そうそう。
ホヲリ
トヨタマヒメ
アエズ
タマヨリヒメ
しばらく境内を散歩して。
神武天皇
神様パワーをゲット。
えめ
らる
神社を参拝すると。
えめ
冬なのに何だかポカポカ温かいなぁ〜。
とか。
らる
夏なのにひんやりして気持ちいいだぁ。
とか。
えめ
何だかいい香りがするべ。
なんてことがあります。
らる
他にも
えめ
らる
スカッと晴れてて、
気持ちいいー。
アマテラス
境内が清々しいなぁ。
スクナヒコナ
何だか幸せだよ。
神武天皇
と感じたり。
えめ
らる
参拝したタイミングで祈祷が始まっただ。
おっ、結婚式だべ。
なんてことがあります。
えめ
それらはみんな、神様からの歓迎の印かもしれません。
らる
もちろん、
その日の状態によっては。
えめ
なんだか参拝しても気分が晴れないべ。
なんてこともありますが。
らる
そん時は、そん時だ。
いずれにしても、
参拝して悪いことはないわ。
アマテラス
いくつか神社を参拝していると。
えめ
あっ、この神社いい!
スクナヒコナ
なんてことがあります。
らる
きっと、その神社は相性がいいのよ。
トヨタマヒメ
たくさんの神社を参拝して。
タマヨリヒメ
自分にあった神社を見つけてね。
アエズ
知立神社は古くから多くの人が訪れてきた神社。
えめ
らる
みんな参拝して、笑顔になったんだべ。きっと。
だな!
愛知県知立市を訪れたのなら。
ホヲリ
知立神社に参拝だべ。
以上、知立神社でした。
えめ
らる
クイズとおみくじ
ここでちょこっとクイズに挑戦です。
えめ
3問答えて、おみくじを引いてみましょう!
らる
クイズに挑戦!
What is A ?
- answer1
- answer2
- answer3
Next ▶
得点
おみくじ
再挑戦?
- はい
- いいえ
お疲れ様でした
次は「神社あれこれ」です
次は「神社あれこれ」です
知立神社あれこれ
神武とイスケヨリヒメ
嫁さん、ほしいなぁ。
イワレビコ
なんだ大将。
もう嫁さんいるじゃないか。
オオクメ
うん、確かにアヒラヒメがいるんだけど。
イワレビコ
だけど?
オオクメ
皇后の候補に、ね。
イワレビコ
なるほど。
オオクメ
大将。
オオクメ
ん?
イワレビコ
実はな、とっておきの娘を知っているんだ。
オオクメ
くわしく聞かせて。
イワレビコ
その娘さん、神の子だなんて言われてる。
オオクメ
神の子?
イワレビコ
オオモノヌシと女性との間にできた子だからさ。
オオクメ
おお。
イワレビコ
女性の名は、セヤダタラヒメ。
オオクメ
超美人だったそうだぜ。
オオクメ
へぇ。
イワレビコ
それをオオモノヌシが、見初めてな。
オオクメ
見初めて?
イワレビコ
ヒメに近づくために、矢に姿を変えたんだと。
オオクメ
矢?
イワレビコ
でな、セヤダタラヒメが用を足しているところを狙って。
オオクメ
は?
イワレビコ
まあ・・・、ヒメのある場所を突いたんだと。
オオクメ
・・・。
イワレビコ
セヤダタラヒメ、びっくり仰天。
オオクメ
その矢を持ち帰って、寝床に置いたところ。
オオクメ
なんと、その矢が美しい青年に姿を変えましたとさ。
オオクメ
その青年、オオモノヌシ?
イワレビコ
そう、オオモノヌシ。
オオクメ
・・・。
イワレビコ
で、その青年との間に生まれたのが。
オオクメ
イスケヨリヒメ。
イワレビコ
そのとおり。
オオクメ
なんだかオオモノヌシ様の印象が変わっちゃったなぁ。
イワレビコ
だよな、大将。
オオクメ
・・・。
オオモノヌシ
まあ、話は戻してイスケヨリヒメだ。
オオクメ
イスケヨリヒメだね。
イワレビコ
さっそく。
オオクメ
会いに行ってみるか。
イワレビコ
あの中ですぜ。大将。
オオクメ
・・・。
イワレビコ
さて、大将。
オオクメ
なに。
イワレビコ
どの娘を選ぶ?
オオクメ
は?
イワレビコ
あの乙女達の中から、ひとり選んで。
オオクメ
いや、オオクメ。
イワレビコ
誰がイスケヨリヒメか知ってるんでしょ? 教えてよ。
イワレビコ
それじゃあ、面白くないじゃねえか。
オオクメ
おい。
イワレビコ
ささっ大将。
早く選んで選んで。
オオクメ
んー。
イワレビコ
あの娘だな。
イワレビコ
正解!
彼女がイスケヨリヒメさ。
オオクメ
よしっ。
イワレビコ
流石だな、大将。
オオクメ
ってことで、さっそく行ってきなよ。
オオクメ
へ?
イワレビコ
あの娘んとこ行って、告ってきなよ。
オオクメ
はあ?!
イワレビコ
ほらほら、早く早く。
オオクメ
・・・。
イワレビコ
オオクメ、行ってきて。
イワレビコ
は?
オオクメ
オオクメが俺の言葉、あの娘に伝えてきてよ。
イワレビコ
何だよ、ヘタレだな。
大将。
オオクメ
やかましい。
イワレビコ
そこの娘さん。
オオクメ
あら。
イスケヨリ
ああ、そんなに警戒しなくていい。
オオクメ
俺は、天皇の使いだ。
オオクメ
天皇って、白檮原宮で天下を治めてるあの?
イスケヨリ
そう、あの天皇だ。
オオクメ
ひょっとして、彼かしら。
イスケヨリ
済まねえな。
オオクメ
大将、意外とシャイなんだ。
オオクメ
で、用件は?
イスケヨリ
皇后になってくれ。
オオクメ
・・・。
イスケヨリ
はあ?
イスケヨリ
大将の嫁さんになってくれ。
オオクメ
・・・。
イスケヨリ
面白いわ。
イスケヨリ
わかりました。
お仕えしましょう。
イスケヨリ
やった!
オオクメ
イワレビコ
知立神社の昔話
昔、池鯉鮒宿にて。
とある長者の家では代々、目を患うものが多く。
悩みのタネでした。
そんな長者の家に生まれた気立てのいい娘さん。
みんなに好かれていました。
そんな、ある日のこと。
目の病にかかる者が多い家柄。
とても心配です。
娘さん。
心配をかけないよう明るく振る舞いますが。
やはり、目の病でした。
池鯉鮒の神様にお願いすることにしました。
21日目の満願の日。
娘さん、大喜び。
さっそく、お礼参り。
3人揃って神社に参拝です。
嬉しくて、境内を歩き回っていた娘さん。
池を覗いてびっくり。
なんと。
池の中の鯉が全て片目になっております。
この件以来。
大正の頃まで。
実際に池で目を洗う人が見られたとか。
なんでかのぉ。
長者
今日も知立神社に参拝してくるわ。
娘
ああ、気をつけて行ってきなさい。
長者
長者妻
いい娘さんだな。
お隣さん
自慢の娘じゃよ。
長者
あれ?
娘
どうした?
長者
長者妻
なんだか目がかすむの。
娘
なんじゃと!
長者
なんですって!
長者妻
まさか・・・。
長者
どうしましょう・・・。
長者 妻
昨日遅くまで本を読んでいたからよ。
娘
日に日に見えなくなってくる。
娘
あなた・・・。
長者 妻
・・・。
長者
よし。
神様におすがりするぞ。
長者
神様、娘の目が見えなくなってきております。
長者
これから3週間、毎日欠かさず参拝に参ります。
長者 妻
どうか娘の目を治してやってください。
長者
長者 妻
まあ。見えるわ!
娘
お父様、お母様!
娘
どうした!
長者
長者 妻
はっきり見える!
娘
は?
長者
長者 妻
目が見えるようになったの。
娘
・・・。
長者
長者 妻
神様、ありがとうございます。
長者
長者 妻
娘
あれ?
娘
お父様、お母様!
娘
なんだ、どうした?
長者
長者 妻
池の中の鯉が・・・。
娘
・・・。
長者
長者 妻
娘
これはきっと。
長者
神使の鯉が、お前に片目を与えてくださったんだよ。
長者 妻
・・・。
娘
おい、聞いたか?
村人
ん?
村人
池鯉鮒の神様の池で、目洗うと目の病気が治るんだと。
村人
ホントか。
村人
参考資料
このページの作成に、次の資料を参考にさせていただきました。
えめ
ありがとうございます。
らる
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